カール・アンソニー・タウンズ

「大会が終わってしまうのがつらい。このチームをまだ離れたくない」

ドミニカ共和国は1次リーグを3戦全勝で突破したものの、2次リーグではプエルトリコとセルビアに敗れ、決勝トーナメント進出は果たせなかった。それでも、人口1000万人のカリブの島国がワールドカップに出場し、結果を残したことは大きな意味がある。

そのドミニカ共和国が結果を出すために、カール・アンソニー・タウンズの代表参加は欠かせない要素だった。NBAのスタープレーヤーの影響力は時に強すぎ、予選を勝ち抜いたチームのバスケを崩すことにもなりかねないが、タウンズのオールラウンドな能力はチームプレーを損なうことがなかった。ここまで大会4位となる24.4得点のスタッツを残し、タウンズは大会を去る。

「故郷の人たちは僕たちを誇りに思ってくれただろう。大会前、このチームには何もできないと言われていたけど、試合を通じて故郷の子供たちに、この国にはバスケの才能があることを示すことができた。ドミニカ共和国は世界のトップレベルの国の一つなんだ。頑張れば何だって可能だということを示すことができて良かった」

「故郷の人々から尊敬されることは、すごく大きなことだ。とても心に残った。世界で最高の国、最高のコーチ、最高の仲間たちに恵まれて本当に幸せだし、12時間の時差があるのにどの試合でも早朝に起きて応援してくれたファンのみんなに感謝している」

チームも同じ思いをタウンズに抱いている。ウォリアーズと2ウェイ契約を結ぶレスター・キニョネスは「NBAから来ると、ルールやプレースタイルの違いに順応するのがとにかく難しい。でも、それを一緒にやる中で、僕らはチームとして、家族としての関係性を深めた。そして、いつまでも心に残る絆ができた」と言う。

それがタウンズにも素晴らしい、それでいて複雑な感情をもたらした。満面に笑みをたたえながら、それでもタウンズは「このチームを離れるのが、こんなにつらいとはね」と言う。

「たくさんの思い出があるよ。すべての出来事が仲間との経験を楽しいものにしてくれた。だから大会が終わってしまうのがつらい。このチームをまだ離れたくない。仲間たちと一緒に過ごして笑って、もっと多くの時間を共有したいんだ。このチームメートとバスケができたことは、本当に素晴らしかった」