東京五輪の3位決定戦で敗れた雪辱を果たし、4連勝でベスト8進出が決定

各国が熱戦を繰り広げているFIBAワールドカップ2023の2次ラウンドで、スロベニア代表はオーストラリア代表と対戦。スロベニアは第1クォーターを28-18と先制パンチを食らわせて主導権を握ると、一時4点差まで迫られるシーンもあったが、安定の試合運びを見せて91-80で逃げ切った。東京五輪の3位決定戦で敗れた雪辱を果たしたスロベニアは4連勝でベスト8進出が決定。逆に2勝2敗のオーストラリアは2次ラウンド敗退が決まっている。

この試合、オーストラリアはスロベニアの絶対的エースであるルカ・ドンチッチに対し、積極的にダブルチームを仕掛ける徹底マークを行った。そしてドンチッチは第2クォーター序盤に早くも3つ目のファウルを喫するなど、ファウルトラブルに苦しんだ。その結果、28分54秒出場で19得点7リバウンド7アシストに6ターンオーバーと、ドンチッチにとっては不本意な内容だった。

しかし、スロベニアはビッグマンのマイク・トビーが18得点12リバウンドに加え5アシストをマーク。さらにクレメン・プレペッチが第4クォーター残り3分半でダメ押しの3ポイントシュートを沈めるなど、チーム全員がステップアップしドンチッチだけのチームではないことを証明した。

「とてもハードな試合でした。オーストラリアは形にこだわらず勝ちにきた。僕たちも同じ姿勢で試合に入った。彼らは偉大な選手たちによる素晴らしいチームだ。今日の自分たちのプレーを本当に誇りに思う」

このように試合を振り返ったドンチッチは、自身への徹底マークに関しても気にすることはなくチーム一丸となって戦えたと続けた。「どんな状況になってもみんなが一つになっていた。全てのポゼッションでオーストラリアはダブルチームを仕掛けてきたけど、みんなが正しいプレーをした。僕たちは一体感がある素晴らしいチームだ」

ただ、第2クォーター序盤、味方がディフェンスファウルで笛が吹かれた後、こぼれ球を拾って自陣から敵陣へとロングシュートを放ったプレーでテクニカルファウルを宣告されたことに納得はしていない様だ。「第2クォーター8分で3つのファウルとなった。シュートを打ってテクニカルとなったのは初めてだった。全ての試合で誰か一度はやっていると思う。なんでファウルを吹かれたのか理解できないけど、チームメートを信頼していた」

優勝候補筆頭のアメリカ代表が別グループで1位になった場合、決勝戦まで対戦を避けるにはグループを1位で終える必要がある。すでに8強入りを決めているスロベニアだが、より良い状況で決勝トーナメントに突入するためにも明日のドイツ戦も消化ゲームではなく勝利が求められる。