「リバウンドを取れて走れたのが良かったです」
1月11日、天皇杯のファイナルラウンド初日となるベスト8が行われ、3連覇を目指す千葉ジェッツが、川崎ブレイブサンダースに66−63で競り勝った。この試合、千葉は残り1分で10点のリードがありながら、自分たちのミスもあって川崎の猛追を許したが、リードを守りきり勝利した。
キャプテンの小野龍猛は、「前半はウチのリズムではなかったですが、後半はしっかり自分たちのゲームができました。シュートは水物なので気にしていないですけど、勝てて良かったです」と試合を総括する。
シュート確率が低く、前半は29-31と僅差ながら追いかけるロースコアの展開となったが、「前半、シュートが入ってないのはみんな分かっていましたが、良いシュートは打てていたので、そこはあまり気にしていませんでした」と焦ることはなかった。そして、振り返れば試合の別れ目となった第3クォーターに21-9と突き放せた要因を、「リバウンドを取れて走れたのが良かったです」と、自分たちの得意パターンに持っていけたことと語る。
千葉にとって川崎は、開幕シリーズで連敗を喫した相手。「開幕はニック(ファジーカス)が出ていない中で2連敗と悔しい思いもありました。本当にゼロから対策をしたことが今日の結果に出たと思います」と、相手のエースであるファジーカスを12点に抑えるなど、ゲームプランを遂行できたことに手応えを得ている。
「100%ではないですが、徐々に自分の持ち味を」
小野自身で言えば、10月下旬に右手舟状骨骨折で戦線離脱。12月29日の京都ハンナリーズ戦で実戦復帰したばかり。コンディションについては「100%ではないですが、徐々に自分の持ち味を出していけています。実戦に復帰して2週間も経ってないのでゲーム勘、シュートタッチはまだまだと認識しています。ただ、シュートは入っているのでその感覚は忘れずにやっていきたい」と捉えている。
とはいえ、この試合でもベンチスタートではあったが、勝負どころの第4クォーターは10分のフル出場。川崎がファジーカス、両外国籍選手を同時起用したことで、シェーン・エドワーズとマッチアップすることになったが、堅実な守備でほとんど仕事をさなかった。高さやフィジカルの不利にも「特に気にすることはなかったです」と語ったように、千葉の基盤となる堅守の確立にしっかり貢献した。
現在、千葉はリーグ最高勝率を記録しているが、「天皇杯とリーグ戦は別物と考えています」と小野は語り、あくまで自分たちはチャレンジャーという姿勢は崩さない。一発勝負のトーナメントだけに、最後のゲームの締めの部分に問題があったにせよ「切り替えて次のゲーム」と強調する。
3連覇に向けて一歩前進の千葉が、ベスト4で激突するのは昨シーズンのリーグ王者であるアルバルク東京。この難敵を撃破するためには、小野がよりコンディションを上げ本来の姿に近づくことも大切となってくる。
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