写真=Getty Images

激しいランの応酬で主導権を奪い合う

23勝16敗で西カンファレンス6位のジャズがキャバリアーズと対戦。平均94.9失点とリーグナンバー1の堅守を誇るジャズは、主力が戦線復帰した勢いも加わり、「全員バスケ」で前年王者を撃破した。

29-29から始まった第2クォーター、1対1のディフェンスでボールへのハンドチェックを厳しくするジャズのプレッシャーが効き、キャブズはイージーなパスミスやターンオーバーを増やしていく。中盤にはレブロン・ジェームズの1on1に対して、ジョー・イングルスがボールを突っつきスティールに成功。直後のポゼッションでイングルスが3ポイントシュートを沈めリードを広げた。

ジョージ・ヒル、ロドニーフッドの3ポイントシュートなどで終盤の2分間で10-0のラン。ジャズはノーマークでシュートを打たせず、基本に忠実なハンズアップでキャブズの手元を狂わせ、このクォーターを12点に抑え込み、56-41と大量リードを奪って前半を終えた。

それでも第3クォーターに入ると、キャブズが猛反撃を開始する。バックコートからボールを持ち込んだレブロンにそのまま豪快なボースハンドダンクを見舞われ58-57となり、ジャズはタイムアウトを要求。それでも流れは止められず、タイムアウト明け直後にレブロンにスティールを許し、そのまま3ポイントシュートで逆転される。

ただ、ジャズもここから粘りを見せる。フッドのスティールからゴードン・ヘイワードが速攻を決め、続けて3ポイントシュートを沈め再び再逆転。落ち着きを取り戻したジャズがヘイワードを筆頭に得点を重ね16-0を決め、75-66で第3クォーターを終えた。

高速ドライブからポイントガードのヒルがダンクを見舞いチームは勢いに乗った。

レブロンがいない間にリードを広げたジャズ

最終クォーター序盤、粘り強いディフェンスが戻ったジャズはレブロンを休ませている間に中外バランス良く加点しリードを広げていく。たまらずキャブズはレブロンをコートに戻して追い上げ体勢を整え、カイリー・アービングの3ポイントシュートやレブロンの個人技で得点を重ねた。

それでもジャズは、キャブズの『追い上げる迫力』にも萎縮することなく、安定したディフェンスを続ける。オフェンスでも特定の選手に依存することなくバランス良く攻め、10点前後のリードを保ち続けたジャズが100-92でキャブズを下した。

ヘイワードがチームハイの28得点でエースの仕事をやってのけ、ルディ・ゴベールが11得点14リバウンドとゴール下で存在感を見せた。また先発の5人を含む6人が2桁得点を記録。的を絞らせない全員バスケが数字にも表れた。

敗れたキャブズはレブロンがゲームハイの29得点。アービングが20得点、ケビン・ラブが12得点を挙げるもヘルプの意識が高いジャズディフェンスの前に30%台の成功率に留まった。カイル・コーバーは18分間の出場で2得点とデビュー戦で低調なパフォーマンスとなってしまった。

ジャズは主力が怪我から復帰し調子を上げ始め、強豪ひしめく西カンファレンスで6位をキープ。キャブズはカイル・コーバーが移籍後初めての試合で注目を浴びたが白星を飾ることができなかった。プレーオフ進出が濃厚なキャブズだが、早めにコーバーとのケミストリーを構築しなければ東カンファレンス1位でのプレーオフ進出も危ぶまれるかもしれない。

攻守両面でペイントエリアを支配したゴベール。特にリムプロテクターとしてゴール下のディフェンスが光った。