エバン・フォーニエ

「彼は欠場したが、この敗戦には何らかの責任がある」

フランス代表は今日、ワールドカップ1次リーグ最終戦でレバノンと対戦する。しかし、この試合を待たずしてカナダとラトビアに連敗して2次リーグ進出の可能性は閉ざされた。開催国枠でパリオリンピックの出場権を持っている彼らにとって、この試合と順位決定戦は消化試合でしかない。

そして本国では、代表チームに対する批判の嵐が巻き起こっている。矢面に立たされているのはヘッドコーチのヴァンサン・コレットだ。

残り37秒まで同点。勝敗を分けたのはほんの小さなディティールだが、結果に対する責任を負うのはヘッドコーチだ。コレットは『L’Equipe』にラトビア戦について、「我々は良いバスケをして最大13点のリードを奪った。だがラトビアは最後まであきらめず食らい付き、最後に結果を変えた。ウチが反省すべきは最悪のタイミングでルーズボールとオフェンスリバウンドを相手にやられたことだろう」と分析のコメントを寄せ、ナンド・デ・コロの退場がフランス優勢の流れを変えたと語った。

だが、フランスのファンとメディアがそれで納得するはずがない。人々は今、戦犯探しに奔走している。チーム最大のビッグネームであるゴベアに批判が集まるのは当然の流れ。36歳のデ・コロや34歳のニコラス・バトゥームのパフォーマンスが悪かったこともやり玉に挙がっている。それでも彼ら2人については、ベテランの役割を託すのではなく主力としてのハードワークを求めたコレットのチーム作りが悪かったとの意見が多い。

他にも様々な批判が渦巻く中で、ビクター・ウェンバニャマにも批判は飛び火した。元フランス代表のステフェン・ブランは『RMC』に出演し、「世代交代のタイミングを間違えたこと」を問題の元凶に挙げた上で、こう続けた。

「ビクターはこのチームにいるはずだった。彼は欠場したが、この敗戦には何らかの責任がある。彼はワールドカップでプレーするはずだったが、彼のエージェントはスパーズに近く、ビクターがリスクを取らないようにフランス代表から遠ざけている。それを容認した代表のディレクターには失望したし、その事態に対応できなかったコレットにも失望した」

フランスのバスケファンは感情的になっており、コレットを解任したがっているが、自国開催のオリンピックまで1年しかない今、その選択肢が悪手となる可能性も高い。