連盟の会長が激怒「負けるのは審判ではなく間違ったメンタリティのせい」
イタリア代表は昨夏に続いてヘッドコーチを巡るトラブルに巻き込まれている。ワールドカップ2戦目のドミニカ共和国との試合で、ヘッドコーチのジャンマルコ・ポッチェッコが第2クォーター終盤に2つ目のテクニカルファウルをコールされて退席処分となった。
ポッチェッコは判定に怒りと戸惑いの色を見せながらも、気持ちを切り替えて選手たちを集めて声を掛け、ドミニカ共和国のベンチに回って選手たちと握手をし、相手のヘッドコーチとハグを交わした上でコートを去った。
これは昨夏のユーロバスケットのベスト16で、ニコラ・ヨキッチを擁するセルビアを破る勝利を収めた時にも見られた光景だ。しかし、『ショック療法』が何度も上手くいくはずがない。去年の退場劇は選手たちの心を熱くし、チームを一つにまとめる効果があったが、今回は集中を妨げるだけの結果に終わった。
現役時代から一つひとつのプレーに全力を尽くし、勝つためのエナジーを全身で表現するタイプのポッチェッコは、指揮官になってもエンドラインで常に選手とともに戦っている。その姿勢はチームに活力を与え、選手からも絶大な信頼を寄せられているが、イタリア代表のバスケよりも彼の大袈裟な言動に注目が集まるのでは本末転倒だ。
この騒動の後にイタリアはズルズルと後退し、残り1分半で12点差の状況から強烈な巻き返しを見せたものの、最大17点のビハインドを覆すには至らず82-87で敗れている。ドミニカ共和国では攻守の大黒柱となったカール・アンソニー・タウンズが24得点11リバウンド5アシスト、アンドレス・フェリツも24得点で勝利に大きく貢献した。
試合後の会見に代理で出席したアシスタントコーチのエドアルド・カサローネは、指揮官の退席処分が勝敗にどう影響したかとの質問に「私には答えられない」と回答している。それでも、イタリアバスケットボール連盟のジャンニ・ペトルッチ会長はメディアの前で「いい加減にしてくれ」と不満を爆発させた。
「コーチ陣全員を集めて、試合に負けるのは審判ではなく間違ったメンタリティのせいだと伝えた。審判は時にミスを犯すが、勝敗を決めるのは自分たちで、この試合ではドミニカ共和国の方が良いプレーをしていたからだ。気に食わない判定があるたびにキレて怒鳴り散らす、それが自分たちのイメージをどれだけ下げるか理解しなければいけない。そのような行為は認められないと伝えた」
「ポッチェッコは聡明な男で、自分の過ちを自覚している。彼にはポジティブな面がたくさんあり、彼だけに責任があるではないが、こういったことはもう起きてほしくない」
グループAはドミニカ共和国が連勝で1次リーグ突破をすでに決めている。イタリアは明日の3試合目で開催国のフィリピンと対戦。日本やフィリピンと同じように、イタリアもこの大会で上位に進出して、パリオリンピック出場権を勝ち取る必要がある。フィリピンと戦は決して負けられないものとなった。