「全員が試合に絡んでハードに戦う。それができていれば僕らは敵なしだ」
スペインのマラガへと移動したアメリカ代表は、現地8月12日にスロベニア代表との強化試合を行った。スロベニアのエース、ルカ・ドンチッチは左膝に軽い打撲を負った影響で欠場。アメリカは先のプエルトリコ戦と同様にタイムシェアを徹底し、選手の組み合わせを試しながらも攻守ともに良いパフォーマンスを見せて92-62と快勝した。
アメリカの先発はプエルトリコ戦と同じくジェイレン・ブランソン、ミカル・ブリッジズ、ブランドン・イングラム、アンソニー・エドワーズ、ジャレン・ジャクソンJr.の5人。前回は欠場したジョシュ・ハートも含めベンチ入りの全選手がプレーし、得点を挙げている。
個の力に秀でてはいてもそれに頼らず、パスを回して全員でプレーすることを意識していたのは明らかで、指揮官のスティーブ・カーは試合後に「優れたパサーとプレーメーカーが何人もいることを念頭に置いてチームを作った。この2試合で、全員がパスを出せて、それでテンポを押し上げるバスケができている」と語り、苦笑混じりにこう続けた。「ちょっとパスを回しすぎだと感じることもあったけど、どの選手もチームメートを巻き込んでプレーしようとするのは良いことだから、ダメとは言わなかったよ」
そのパスワークの中心となるのは先発ポイントガードのブランソンであり、2番手のタイリース・ハリバートンで、この試合でカーは2人を同時にプレーさせるだけでなく、第3のプレーメーカーであるオースティン・リーブスも同時にコートに立たせている。この起用法も、パスファーストでチームプレーを前面に押し出すメッセージを選手に伝えるためだろう。
2試合連続でチームトップとなる15得点を挙げたアンソニー・エドワーズは「今日はただそうなっただけで、他の選手が得点する日もある。誰が一番多く得点しようとも、全員が試合に絡んでハードに戦うことが大事で、それができていれば僕らは敵なしだ」と語る。
アメリカは現地13日にスペイン代表と、その後はアブダビに移動してギリシャ代表とドイツ代表との強化試合を経て、ワールドカップの舞台となるフィリピンのマニラへと入る。