第2クォーターに18-0のランで逆転、主導権を渡さずに逃げ切り
バスケットボール男子日本代表がニュージーランド代表との国際強化試合第1戦に臨んだ。
日本の先発は富樫勇樹、富永啓生、吉井裕鷹、井上宗一郎、渡邉飛勇の5人。日本は吉井の強気なアタックや富永のミドルシュートなどで加点するも、生命線である3ポイントシュートに当たりが来ずに追いかける展開が続いた。川真田紘也がセカンドチャンスポイントを挙げ、富永が3ポイントシュートを沈めて同点に追いつくシーンもあったが、キックアウトから高確率で3ポイントシュートを決めてくるニュージーランドのオフェンスを止められない。ビッグマンが外に釣り出されるとスピードのミスマッチを突かれ、フィジカルを生かしたアタックで失点していった。残り1分には欠場が続いていた河村勇輝がコートインするが、合わせのパスをカットされ、速攻を献上してしまい、17-25で第1クォーターを終えた。
第2クォーターのファーストプレーでもディフェンスを完全に崩され、フリーで3ポイントシュートを許してしまったが、ここから日本の反撃が始まる。これまでなかなかペイントタッチができなかった日本だが、河村が得意のドライブでディフェンスを切り裂くと、渡邉飛勇や馬場雄大がそれに合わせて連続でイージーシュートに繋げた。河村はディフェンスでも激しいプレッシャーを与えてニュージーランドのミスを誘い、ミスマッチを突かれた際にはしっかりと身体を寄せてオフェンスファウルを誘発した。
そして、この河村が作った流れを須田侑太郎が継承する。須田はインテンシティの高いディフェンスでボールマンにプレッシャーを与え続けて、ニュージーランドオフェンスを停滞させると、オフェンスでも3ポイントシュートを射抜く。河村や須田に引っ張られた日本は全員のディフェンス強度が上がったことで、フリーでシュートを打たれるシーンがなくなった。こうしてディフェンスからリズムをつかんだ日本は長距離砲も決まり始め、第1クォーターは12本中3本決まらなかった3ポイントシュートを8本中4本成功させると、ニュージーランドの3ポイントシュートを7本中1本の成功に抑えた。こうして、攻守が噛み合った日本は18-0のランを繰り出し、41-39と逆転して前半を終えた。
後半に入ると、リードチェンジを繰り返す拮抗した展開が続いたが、富樫に代わりスタートとなった河村が再びアシストを連発して日本がペースをつかむ。渡邊がセカンドチャンスポイントを挙げれば、渡邊のオフェンスリバウンドから富永が3ポイントシュートを沈めるなど、インサイドの争いも互角以上に渡り合った。中盤には、ここまで無得点だった富樫が3ポイントシュートにドライブからスコアと、存在感を発揮した。それでも、ニュージーランドにも高確率で長距離砲を決められ、突き放すには至らず、62-60で最終クォーターを迎えた。
日本は須田の3ポイントシュートで先制すると、河村とのホットラインから渡邉が豪快なダンクをかます。さらに河村がショットクロックわずかな場面で、5本目にしてようやく3ポイントシュートを沈めて3ポゼッションのリードを得た。
しかし、比江島のドライブに対しファウルがならなかったことに抗議したトム・ホーバスヘッドコーチがテクニカルファウルをコールされると、直後にも3ポイントシュートを決められ、一気に点差を詰められた。それでも、吉井が連続でパスカットに成功するなど、ディフェンスの集中力が切れない日本はタフショットを打たせ続けて逆転を許さない。富樫がプルアップスリーを沈め、残り1分22秒には前がかりになるニュージーランドの裏をかき、馬場がゴール下のイージーシュートを決めて9点リードに。こうして最後まで主導権を渡さなかった日本が79-72で勝利した。