「中国代表のジャージーを着ることができるのは誇りであり、光栄に思っている」

ティンバーウルブズのカイル・アンダーソンが中国の国籍を取得し、同国代表の一員として来月末に開催されるFIBAワールドカップ2023に出場することが明らかになった。アンダーソンの母方の曽祖父が中国人であることが今回の帰化へと繋がった。

29歳のアンダーソンは、2014-15シーズンからNBAでのキャリアをスタートさせ、これまでスパーズ、グリズリーズにそれぞれ4年間在籍。昨シーズンはティンバーウルブズで69試合に出場し、平均9.4得点、5.3リバウンド、4.9アシストを記録するなどオールラウンダーとして確かな実績を誇る。

中国名では『Li Kai’er』となるアンダーソンは、中国のSNSサービス『微博』に動画を投稿。「中国を代表してワールドカップに出場することを発表できて幸せです。中国代表のジャージーを着ることができるのは本当に誇りであり、光栄に思っています」とメッセージを寄せている。

アンダーソンの中国代表入りは、ワールドカップでアジア最上位となりパリ五輪を目指す日本にとって少なくない影響を与える可能性がある。グループリーグでドイツ(FIBAランキング8位)、フィンランド(24位)、オーストラリア(3位)という死の組に入った日本に対し、抽選会で最上位シードとなる『ポッド1』に配置される恩恵を受けたフィリピンは、イタリア(10位)、ドミニカ(23位)、アンゴラ(41位)と同組のグループA。中国もセルビア(6位)、プエルトリコ(20位)、南スーダン(62位)のグループBと、日本に比べて組み合わせに恵まれている。

様々な役割をこなせるプレーの多彩さが魅力のアンダーソンの加入は、中国代表の戦力を大きく底上げさせることは間違いない。他の国のことを気にしていても仕方ないが、パリ五輪出場を目指す日本代表の状況はより厳しくなったことは確かだ。