2021年に負った膝の十字靭帯断裂の大ケガから復活、NBA優勝を勝ち取る
『ESPN』による『ESPYS』授賞式で、ナゲッツのジャマール・マレーはベスト・カムバック・アスリートを受賞した。
マレーはNBAキャリア7シーズン目にして、ニコラ・ヨキッチとのコンビでナゲッツにNBA優勝をもたらした。2020-21シーズン途中に膝の十字靭帯断裂の大ケガを負った彼は、2020-21シーズンの後半戦と翌2021-22シーズンを全休し、そこからのカムバックとなった。
若くて日々成長していた時点での大ケガは彼を打ちのめし、1年以上プレーできないと知った時は自分のキャリアが終わったと感じたという。それでも彼は長いリハビリに耐え、2022-23シーズン開幕から復帰。シーズン序盤は膝の感覚を試しながらのプレーで長期欠場のブランクを感じさせるシーンもあったが、次第に調子を上げて、一番大事な時期に『プレーオフ・モード』に入った。
昨シーズンのマレーは20.0得点を記録。ケガをする直前の21.2得点には及ばなかったものの、アシストは4.8から6.2へと伸びてプレーの幅を広げている。そしてプレーオフでは26.1得点、7.1アシストとスタッツを伸ばし、ヒートと対戦したNBAファイナルでは4試合連続で2桁アシストを記録した。2シーズン連続MVP、そしてファイナルMVPに輝いたヨキッチの活躍が目立つが、ヨキッチとマレーのコンビネーションを起点とする攻めの多彩さこそがナゲッツ優勝の最大の要因だ。
壇上でトロフィーを受け取ったマレーは「長いリハビリに耐える力を与えてくださった神様に感謝したい」と語った。「家族、友人、コーチ、ナゲッツのすべての人たち、そしてファンのみんなが僕の復帰を信じてくれた。自信を取り戻させてくれたチームメートには大きな拍手を送りたい。ここに来ることができて幸せだ」
マレーはまだ26歳で、ヨキッチは28歳。いずれも長期契約を結んでおり、ナゲッツの全盛期はまだこの先で、今後長く『王朝』を築く可能性がある。ライバルチームもそれを意識しているから、西カンファレンスの各チームはアグレッシブな補強を進めている。新シーズンもナゲッツを中心とした西カンファレンスの競争が激化するのは間違いない。