ニコラ・ブーチェビッチ

ロンゾ・ボールに復帰の目処が立たず、次なる動きに注目

ブルズはセンターのニコラ・ブーチェビッチとの契約延長に合意した。内容については明かされていないが、3年6000万ドル(約81億円)と伝えられている。

ブルズはデマー・デローザンとザック・ラビーン、ブーチェビッチの強力トリオが軸となるが、昨シーズンは46勝36敗でプレーオフに進出するもバックス相手にファーストラウンド敗退、そして今シーズンは司令塔のロンゾ・ボールが膝のケガで全休した影響が大きく、40勝42敗と勝率5割を切り、プレーオフ進出を逃した。

若手は経験を積んでいるもののオールスターまで成長する兆しは見えず、ドラフトでも即戦力レベルの選手は取れなかった。ブーチェビッチとの再契約の交渉がまとまらなかったら、ブルズはチーム解体に舵を切っていただろう。

ブーチェビッチは32歳だが、今シーズンは82試合に出場、平均プレータイム33.5分と、消耗の激しいセンターのポジションながらコンディションは良く、まだまだトップレベルでプレーし続けられる。インサイドで身体を張ってディフェンスとリバウンドで奮闘し、オフェンスではスクリーンをかけ、ゴール下での得点にペリメーターでのシュートも向上させて17.6得点に11.0リバウンドを記録。チームのエースではないが責任感が強く、ロッカールームの中心的選手である彼の残留は大きい。

ただし、ブルズが前途多難であることに変わりはない。一昨シーズンの後半戦から欠場が続くロンゾは復帰の見通しが立っておらず、残り2年4100万ドル(約55億円)の契約がサラリーキャップを圧迫している。彼の契約を解除してフリーエージェント市場で新戦力を獲得する手はあるが、ケガをする前のロンゾは素晴らしい司令塔ぶりを見せていただけに、その判断を下すのはそう簡単ではない。

ブーチェビッチとの新契約はまとまったものの、ポイントガードの問題が片付かないままであれば、ブルズはプレーイン・トーナメントで敗れた今シーズンとさして変わらない1年を過ごすことになるだろう。そうなると、契約が残り1年のデローザンを残すかどうかの判断が問われる。

ブーチェビッチと契約延長できた時点で、ブルズとしては今のコアを維持してプレーオフで上位を目指す方針だろうが、何らかの大きな変化が必要だ。ゴラン・ドラギッチやパトリック・ベバリー、アンドレ・ドラモンドでは、ブルズが停滞から抜け出すには足りなかった。トレードとフリーエージェント市場で起死回生の手を打てるか。ブルズの次の動きが注目される。