デビン・ブッカーとケビン・デュラントを中心にチーム再編へ
サンズの新たなヘッドコーチはフランク・ボーゲルで決まりそうだ。『The Athletic』は両者が5年3125万ドル(約42億円)で契約を結ぶべく、交渉の最終段階に入ったと報じている。
今月で50歳を迎えるボーゲルは、レイカーズで2019-20シーズンにNBA優勝を勝ち取っている。ケンタッキー大でコーチとしてのキャリアをスタートさせた彼は、セルティックス、セブンティシクサーズ、ペイサーズのアシスタントコーチを経て、2011年にペイサーズのヘッドコーチに昇格。マジックを経てレイカーズの指揮を執り、就任1年目にレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスを擁するチームを10年ぶり17回目のNBA王者へと導いた。
それでも翌シーズンはプレーオフのファーストラウンドでサンズに敗れ、2021-22シーズンには主力のケガが相次いでプレーオフ進出を逃し、解任されている。
サンズは今シーズン終了とともにモンティ・ウィリアムズの解任を発表し、後任探しを行っていた。サンズのアシスタントコーチを務めるケビン・ヤングの内部昇格、ニック・ナースやドック・リバースも候補に挙がっていたが、サンズはボーゲルを選んだ。
ボーゲルが選ばれた理由は、ペイサーズとレイカーズでプレーオフでの経験が豊富なこと、スーパースターを擁しながら組織的なディフェンスを構築する実績、ペイサーズではポール・ジョージ、レイカーズではレブロンとウイングのエースを中心にオフェンスを作ることもできる点だと『The Athletic』は推測している。
時間はかかったが指揮官が決まったことで、来シーズンに向けたチーム編成も動き出すはずだ。デビン・ブッカーとケビン・デュラントのデュオはリーグ屈指のオフェンス力を誇るが、それだけでは優勝できないのは今シーズンに実証済み。38歳になったクリス・ポールを今後もチームの中心に据え続けるのか、モンティの下では伸び悩んだディアンドレ・エイトンを再評価するのかトレードに出すのか。デュラント獲得の代償で手放したロールプレーヤーも層を厚くする必要がある。
『バブル』のシーズンから続いてきたサンズの体制は、デュラントの獲得とモンティ解任で終わりを迎えた。新生サンズは間もなく本格的に始動する。