オースティン・リーブス

レイカーズ残留を熱望「自分の場所だと感じられる。だから僕はここにいたい」

カンファレンスファイナルでナゲッツにスウィープを食らい、レイカーズのシーズンは幕を閉じた。レブロン・ジェームズが引退を予感させるような言葉を口にしたことで大騒ぎとなったが、その結論が出るのはまだしばらく先のこと。選手たちはオフに入り、フロントは来シーズンに向けた準備に取り掛かる。

敗退決定の翌日、シーズン最後のメディア対応が行われた。ロブ・ペリンカGMは今シーズンのチームが見せた努力と成長を称え、ほとんどがフリーエージェントとなる若手たちの処遇について「私たちの意向は若い選手たちのコアを維持すること」と宣言している。

もっとも、レブロンとアンソニー・デイビスがいる時点でサラリーキャップに余裕がないのは決定している。全員と新たな契約を結んで残留させるのは不可能で、取捨選択に迫られる。

その中でも最優先で慰留するであろう存在がオースティン・リーブスだ。昨シーズンにデビューして、2ウェイ契約から成長し続けてきた彼は、今シーズンは1年を通して主力を務め、プレーオフになってさらに調子を上げた。プレーオフの16試合すべてに先発出場し、プレータイムと得点でレブロンとデイビスに続く3位の数字。ロールプレーヤーとしてこれ以上ない存在へと成長した。その過程をずっと見てきたフロントもファンも、リーブスを手放すつもりは全くないはずだ。

ペリンカGMは「無欲でチームを優先し、体育館に住んでいると思うほど練習している。大金を稼ぐようになっても何も変わらないだろう。レイカーズでプレーすることは何かを定義する選手だ」とリーブスを評している。

そのリーブスは、シーズン最後の会見でこう語る。「僕はあまり目標を設定して行動するタイプじゃなくて、毎日を新しい挑戦として取り組んでいる。でもシーズン後半に役割が大きくなると、モチベーションはすごく大きくなった。勝ちたいというモチベーションがね。僕にとっては、それが一番大事なことなんだ。そういう意味で、僕にとってはすごく良いシーズンだった」

ただ、彼の本質は以前と変わらない。「僕はあまり目立つのが好きじゃなくて、誰かを支える立場で十分だと思うタイプだ。でも、NBAで活躍すればそうも言っていられない。何年も見てきた選手とコートで戦い、『良い選手だ』と言われるのは本当にうれしいよ。でも、コート外での僕は変わっていない」

もちろん、彼の希望はレイカーズ残留で、「ここは僕にとっての故郷だ。本当の地元に比べれば人も多いし渋滞もすごいけど(笑)、自分の場所だと感じられる。だから僕はここにいたい」と言う。

今シーズンの年俸はわずか150万ドル(約2億円)で、このオフに大きな契約を勝ち取ることになる。ペリンカの「大金を稼ぐようになっても何も変わらないだろう」という言葉を伝えられると、リーブスは「まあ金額にもよるだろうけど」と笑顔を見せ、こう続けた。

「まずゴルフで……いや、家族が1番でゴルフはその次だ。僕はゴルフが好きだから、地元のクラブの会員権を買うつもり。でも、本当にそれだけだと思う。車にもファッションにも興味がない。お金があっても何か違うことを始めるとは思えない。バスケを練習する分には、レイカーズには最高の施設が整っていて僕が払う必要はないし、家族が何か欲しいと言えば買うけど、僕はテレビゲームをやって、ゴルフをする。今までと同じだね(笑)」

来シーズンもリーブスはレイカーズのユニフォームを着て、攻守に気の利いたプレーとハードワークを見せてくれるはずだ。大金を稼ぎ、知名度が上がるという変化があり、プレーヤーとしての成長は続いていくとしても、彼の本質的な部分はこれからも変わらないだろう。