SCP%と実質シュート成功率を比較することで、各チームの特徴がより見えてくる
この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。
今回は、オフェンスリバウンドでボールを回収して再びポゼッションを得ることを指す『セカンドチャンス』によって得点した割合を表す『SCP%(セカンドチャンスポイントパーセンテージ)』をご紹介。このスタッツは、総得点に対するセカンドチャンスポイントの割合を計算することで、セカンドチャンスを武器にしているチームを導き出すことができる。
ランキングの前に、セカンドチャンスの定義を今一度確認してみよう。スタッツ集計のマニュアルである『FIBA STATISTICIANS’ MANUAL 2018』によると、『オフェンスリバウンド後、相手のポゼッションになる前に獲得した得点の総数。これはボールがアウトオブバウンズになる/ならないにかかわらない。また、フィールドゴールだけではなくフリースローも含まれる』と定められている。たとえば、オフェンスリバウンドからバスケット・カウントを獲得しフリースローも決めた場合、セカンドチャンスポイントとして3点が加算される。
それでは、SCP%と関係性が強いオフェンスリバウンド獲得率のランキングも併せてご紹介しよう。オフェンスリバウンド獲得率については、「数字で見るBリーグ」チャンピオンシップ出場チームが上位を占める『オフェンスリバウンド獲得率』を見る を参照頂きたい。
※35節終了時点
順位 | チーム | SCP% | チーム | ORB% |
1位 | 琉球 | 19.35% | 琉球 | 37.55% |
2位 | A東京 | 18.25% | A東京 | 36.34% |
3位 | 横浜BC | 17.86% | 名古屋D | 34.72% |
4位 | 宇都宮 | 17.03% | 千葉J | 33.59% |
5位 | 千葉J | 16.88% | 宇都宮 | 32.75% |
6位 | 名古屋D | 16.62% | 大阪 | 31.57% |
7位 | 三遠 | 15.28% | 富山 | 31.43% |
8位 | FE名古屋 | 15.22% | 横浜BC | 30.58% |
9位 | 滋賀 | 15.13% | 新潟 | 30.35% |
10位 | SR渋谷 | 14.96% | 三遠 | 30.33% |
11位 | 富山 | 14.95% | 島根 | 30.10% |
12位 | 大阪 | 14.84% | FE名古屋 | 30.08% |
13位 | 群馬 | 14.79% | 京都 | 29.58% |
14位 | 北海道 | 14.65% | 広島 | 29.27% |
15位 | 秋田 | 14.61% | SR渋谷 | 28.85% |
16位 | 島根 | 14.59% | 秋田 | 28.78% |
17位 | 新潟 | 14.53% | 滋賀 | 28.78% |
18位 | 京都 | 13.97% | 北海道 | 28.21% |
19位 | 信州 | 13.76% | 群馬 | 27.99% |
20位 | 茨城 | 13.68% | 茨城 | 27.35% |
21位 | 仙台 | 13.64% | 信州 | 27.08% |
22位 | 三河 | 13.50% | 川崎 | 27.06% |
23位 | 広島 | 13.11% | 仙台 | 26.25% |
24位 | 川崎 | 12.30% | 三河 | 25.64% |
このランキングを見て個人的に気になるのは下記の4チーム。
・SCP%ランキング上位、ORB%下位の滋賀
・SCP%ランキング中位、ORB%上位の大阪
・SCP%ランキング下位、ORB%上位の新潟
・SCP%ランキング下位、ORB%中位の広島
上記のチームの傾向を見るために、『eFG%(実質シュート成功率)』ランキングも見てみよう。『eFG』については、「数字で見るBリーグ」3ポイントシュートの価値を加味した真のシュート成功率『eFG%』とは!? を参照頂きたい。
順位 | チーム | eFG% |
1位 | 広島 | 55.82% |
2位 | 千葉J | 54.17% |
3位 | 川崎 | 54.10% |
4位 | 島根 | 53.91% |
5位 | 名古屋D | 53.57% |
6位 | 群馬 | 52.97% |
7位 | SR渋谷 | 51.98% |
8位 | 富山 | 51.95% |
9位 | 大阪 | 51.87% |
10位 | 北海道 | 51.82% |
11位 | 横浜BC | 51.78% |
12位 | 三遠 | 51.68% |
13位 | 茨城 | 51.61% |
14位 | 京都 | 51.60% |
15位 | 琉球 | 51.56% |
16位 | 三河 | 51.08% |
17位 | 信州 | 50.59% |
18位 | 新潟 | 50.29% |
19位 | 滋賀 | 49.88% |
20位 | 仙台 | 49.87% |
21位 | 秋田 | 49.60% |
22位 | A東京 | 49.51% |
23位 | 宇都宮 | 49.23% |
24位 | FE名古屋 | 48.56% |
このランキングを見てみると、以下のことが見えてくる。
・滋賀は全体的にeFG%が低いため、相対的にSCP%の割合が高くなっている
・大阪は全体的にeFG%が高いため、相対的にSCP%の割合が低くなっておりセカンドチャンスを武器にしているとは言えない
・新潟は全体的にeFG%が低いため、獲得したオフェンスリバウンドをセカンドチャンスに繋げられていない
・広島はeFG%がリーグで最も高いため、相対的にSCP%の割合がかなり低くなっている
当然ながら、各種ショットの試投数やフリースローも加味する必要があるため、SCP%とeFG%と比較するだけではそのチームの特徴を明らかにすることはできない。以上のことから、ご覧になっている読者の皆様には、SCP%の数値だけでチームの良し悪しを判断せず、他の数値と比較して強み、弱みを見つけてもらいたい。
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