ジミー・バトラー

「自分がベストプレーヤーの1人と言うつもりはないけど、そんな選手に見られたい」

NBAプレーオフのファーストラウンド、第8シードのヒートは第1シードとのバックスとの第4戦に119-114で競り勝った。これでシリーズ通算3勝1敗とし、カンファレンスセミファイナル進出に王手をかけている。

ヒートは第3クォーター終了時点で11点のビハインドを背負っていたが、自身にとってキャリアハイであり、ヒートのプレーオフ記録かつNBA史上4位タイとなる56得点を挙げたジミー・バトラーの大暴れによって、第4クォーターを41-25と圧倒し見事な逆転勝利を収めた。

今シーズンのヒートは、レギュラーシーズンで44勝38敗に終わり、カンファレンス7位でプレーイン・トーナメントに進出。初戦でホークスに敗れたが、2試合目のブルズに何とか勝ち、第8シードで辛くもポストシーズンへの切符をつかんだ。それだけに下馬評ではバックスの圧倒的有利だったが、バトラーはチーム全員が自信を持ってこのシリーズに臨めていると語る。「例えホームアリーナの外にいる人たちだったり、このチームの人間以外の誰もが俺たちは勝てないと思っていたとしても、自分たちにはその力があることを知っている。周囲の評価は気にしない。俺たちは自分たちには可能だと分かっていることを続けるだけだ」

そして『プレーオフジミー』と呼ばれる大一番での強さの秘訣について、このように続ける。「俺はプレーオフの激しい面が好きなんだ。すべてのトップ選手たちが、それぞれの力を見せている。自分がベストプレーヤーの1人と言うつもりはないけど、そんな選手に見られたい。俺はこのメンバーたちと一緒にチームが勝つためなら何でもやる。チーム首脳陣が俺をヒートに呼んだのには理由がある。そしてプレーオフで活躍することはその理由の一部だと感じている」

またチームメートのケビン・ラブは、バトラーについて「彼はゾーンに入ると殺戮者となる」と評するとともに、チーム第一の姿勢を貫いていることも讃えた。「ライオンは狩りが好きだ。彼は獲物を仕留めて狩りを続ける。これこそジミーがやっていることだ。彼はみんなに勝利を見せたい。自分のために勝ちたいのではなく、ただ仕事を遂行したいんだ」

ここまでヒートは4試合で平均123.0得点をマークし、レギュラーシーズンでリーグ最下位の109.5得点に終わったとは思えない得点力を見せている。この最大の立役者がバトラーであり、彼が今の勢いをキープできればヒートの番狂わせ達成は濃厚と言える。