写真=小永吉陽子

女子18試合、男子6試合の熱戦が繰り広げられる

『JX-ENEOSウインターカップ2016』が開幕、予選を勝ち抜いた全国の猛者たちが東京体育館に集結した。初日の今日は女子1回戦の18試合、男子1回戦の6試合が行われ、熱戦が繰り広げられた。

15年連続20回目の出場となる強豪、聖カタリナ学園(愛媛県)は県立長崎西(長崎県)と対戦。石原柚香の3ポイントシュートや梅木千夏の高速ドライブで主導権を握る。県立長崎西もゾーンディフェンスを効果的に使って対抗し、一時は逆転に成功するが、それでも勝負どころで梅木(20得点)と石原(16得点)のオフェンスが効果的に決まった聖カタリナ学園が69-65で初戦を突破した。

京都精華学園(京都府)は鹿児島市立鹿児島女子(鹿児島県)に辛くも勝利。鹿児島市立鹿児島女子は京都精華学園の激しいプレッシャーに苦しみリードを奪われ、終盤にオールコートディフェンスからの3ポイントシュート、ゴール下と粘りに粘るも57-59で惜敗。それでも『耐雪梅花麗』(雪に耐えて梅花麗し)という建学の精神を体現するバスケットを披露した。

中村学園女子(福岡県)は神戸龍谷(兵庫県)と対戦。中村学園女子は『人もボールも走るバスケ』を見せるもシュートタッチが悪く、形は作っても得点につながらない苦しい展開に。高い位置からのプレスで速攻を止められ、一時は逆転を許すが、第3クォーター立ち上がりから6分以上を失点ゼロで乗り切り、一気に突き放した。
シュートタッチの良い選手がいない試合をポイントガードの山口萌瑠は「難しかったです」と振り返るが、「良い流れが来るまで、みんなでディフェンスで耐えたのが勝因」と語る。一方、神戸竜谷の岡田あずキャプテンは「やられた後に気持ちが落ちて、切り替えられなかった。試合を通じて見ると相手の方が強かったです」と悔やんだ。

4年連続37回目の出場となる名門、東京成徳大学(東京都/開催地枠)は奈良文化(奈良県)と対戦。序盤は奈良文化の身長のミスマッチを補うゾーンディフェンスに苦しめられビハインドを背負う。それでもディフェンスからペースを掴み逆転すると、185cmの大原咲織を起点に内外バランス良く得点を散らしゾーンを攻略。高い対応力を見せ86-65で勝利した。

続いて男子、近畿大学附属(大阪府)が初出場の実践学園(東京都/開催地枠)と対戦した。一進一退の攻防を繰り広げられ、U-18日本代表の西野曜を擁する近畿大学附属が3点リードして終盤を迎えるも、第4クォーター残り1.2秒、実践学園の牧戦野翔に3ポイントシュートを決められ延長戦へ。タイムシェアで先発メンバーを休ませながら戦った近畿大学附属が相手の動きを上回り70-63で勝利した。

互いに留学生が所属する中部大学第一(愛知県)と日本航空(山梨県)の戦いはインサイドを支配した中部大学第一が勝利した。王ウェイ嘉が35得点21リバウンドとインサイドで圧倒。強力なリバウンダーがいることで思い切り良くアウトサイドシュートを沈めていった中部大学第一が100点ゲームを披露した。

ファウルトラブルとミスにつまづき、前年王者が初戦敗退

そして1回戦最大の注目カードである明成(宮城県)と尽誠学園(香川県)の対戦。ともに序盤は硬さからミスがあったが、先手を取ったのは尽誠。松本雅樹、斎木祥太郎らガード陣のドライブインで明成のファウルを誘い、フリースローを決めていく。明成もリバウンドからの速攻で食らい付き、前半を38-38のイーブンで折り返す。
後半は尽誠が激しいディフェンスとルーズボールで最大13点リードを奪う。明成は第4クォーターに入り庄司勇人と田中裕也の両シューターが3ポイントシュートを連続で決めて2点差まで詰め寄るが、ファウルトラブルとミスが続いて逆転には至らず。前年王者の明成が68-81で敗れ、1回戦で姿を消した。

参加100校のうち24校が今日の時点で敗退。明日は女子2回戦が16試合、男子1回戦が12試合行われる。

浜松開誠館 71-41 県立中津北
東京成徳大学 86-65 奈良文化
県立松江商業 54-52 滋賀短期大学附属
尽誠学園 81-68 明成