残り3秒に今村佳太がバスケット・カウントに成功し、劇的勝利

4月2日、千葉ジェッツと琉球ゴールデンキングスが対戦。序盤に3ポイントシュートからリードを得た琉球が千葉Jの猛攻を崩し78-76の大接戦を制し、チャンピオンシップ出場を決めた。

最初にリズムをつかんだのは琉球。ジャック・クーリーのキックアウトを起点としたボールムーブで千葉Jのディフェンスを振り切り、オープンスリーに成功。そのクーリーもゴール下で身体を張ってリバウンドを確保し、セカンドチャンスに繋げた。また、ディフェンスではボールマンへのプレッシャーはもちろん、ヘルプディフェンスも徹底したことで千葉Jのドライブをシャットアウト。ラストポゼッションでコー・フリッピンがスティールから豪快なダンクを決めたように、千葉Jのターンオーバーから11点を固めて24-11とビッグクォーターを作り第1クォーターを終える。

大きく出遅れた千葉Jは、琉球のタフなディフェンスに苦しみながらも原修太と佐藤卓磨が3ポイントシュートを連発。その後も確率良く3ポイントシュートを沈めていったが、ディフェンスでの連携ミスで琉球にイージーショットを許していまい、9点ビハインドで試合を折り返した。

追い上げたい千葉Jは原のドライブで活路を見いだすと、開始2分にはヴィック・ローのミドルシュートで2点差に迫る。その後は互いにリングへのアタックを続け、計17本のフリースローを打ち合う展開となり、62-63と千葉Jが1点差まで迫って最終クォーターへ突入した。

その後も接戦が続いたが、同点でオフィシャルタイムアウトを迎えた千葉Jは富樫勇樹の得点から流れを引き寄せ、ここまで取り切れていなかったオフェンスリバウンドも獲得。そして、残り2分半にはローがジャンプシュートを沈めて、この日初のリードを奪った。

その後、互いにミドルシュートやフリースローを打つも得点できず、スコアが動かないまま迎えた残り5.5秒に琉球がタイムアウトを要求した。タイムアウト明け、岸本隆一のエンドスローインでボールを受けた今村佳太が西村文男のファウルを受けながらミドルシュートを沈めて逆転に成功し、フリースローも沈めてリードを2点に。その後、原の逆転を狙った3ポイントシュートが外れて万事休すかと思われたが、ローがこぼれ球を押し込んで土壇場で同点に。しかし、ビデオ判定の結果、試合終了のブザーの後と判定され、琉球が勝利をもぎ取った。

敗れた第1戦で課題となった失点を70点台に抑え、千葉Jに勝利した琉球の桶谷大ヘッドコーチは、チームのディフェンスを次のように振り返った。「ディフェンスにプライドを持って、入りから良いディフェンスをしてくれたと思います。しんどい時間でも、なんとかディフェンスで食らいついて、イージーシュートを打たせませんでした。ただ、ピック&ポップのスリーがあるチームに対してのエクスキューション(遂行力)が足りなかったので、そこは反省です。千葉さんのようなチームにしっかりディフェンスをできるようにして、もっともっと勝つ確率を上げていきたいと思います」

また、相手の司令塔である富樫の得点を7得点に抑え込む好守を見せた小野寺祥太に対して、次のように評価した。「富樫選手のところにあえて小野寺をぶつけてディフェンスをさせました。得点がなくても(貢献度を示す±で)+10になっているので、それだけ僕らがやりたかったディフェンスに貢献してくれたと思っています。千葉さんとやる時は、富樫君にどれだけ気持ち良くプレーさせないかということがファーストプライオリティ(最優先)だと思っているので。そこをしっかり抑えられたのは、すごく良かったと率直に思います」