ドレイモンド・グリーン

イングラムとの衝突は「チームを奮い立たせるために仕掛けた」

激戦となっている西カンファレンスは、レギュラーシーズンの最後まで混沌とした状況が続きそうだ。ウォリアーズはマーベリックスを追い落としてプレーオフのストレートインとなる6位を確保したが、今度はペリカンズが5連勝で迫ってきた。

そのペリカンズを迎えたホームゲーム、試合が進むにつれてペリカンズの勢いに圧倒され、全員がストレスを抱えながらプレーすることになった。特にドレイモンド・グリーンはイライラを抑えられず、第2クォーターにブランドン・イングラムのドライブを乱暴に止めた後に小競り合いとなりテクニカルファウルを取られ、さらにハーブ・ジョーンズ相手にもオフェンスチャージを取られ、ベンチに下げられた。

それでもウォリアーズは、前半を終えて46-63の劣勢をはねのけて逆転勝利をつかんでいる。そのカギとなったのはグリーンの激しい感情だった。第2クォーター終盤にグリーンが見せた感情むき出しのプレーが、眠っていたウォリアーズの選手たちに火を付けた。

指揮官スティーブ・カーは「今日は彼が勝利に導いてくれた。ウチには彼の炎が必要なんだ」とグリーンを称えた。「彼は自分たちのプレーに納得がいかず、世界のすべてに怒りをぶちまけていた。ウチのベンチにも、相手のベンチにも。私に向かっても叫んでいた。だが正直に言って、我々には罵倒されても仕方ない出来だった。試合開始から18分間、ウチは死んでいたようなものだ。どこかでエネルギーが必要だったし、それは外から持って来るのではなく、内部で起こさなければならなかった」

後半最初のプレーで、ドンテ・ディビンチェンゾがイングラムの上から叩き込んだプットバックダンクから8-0のランで点差を1桁に詰め、その後もウォリアーズが気迫でペリカンズを上回っていく。エースのステフィン・カリーは前半からシュートタッチが良かったが、チームが攻守に噛み合うようになってその破壊力を倍増させ、前半の17得点からペースを上げて22得点を記録。第4クォーター序盤に逆転したウォリアーズは、そのまま付け入る隙を与えず点差を広げ、120-109で勝利した。

試合後、グリーンは第2クォーターのイングラムとの衝突を「チームを奮い立たせるためにファウルを仕掛けた」と振り返り、意図的に起こしたものだと明かす。「ウチには全く元気がなく、相手に好き放題にプレーさせていた。取り返しのつかない状況になる前に、喝を入れる必要があった」

チームを奮い立たせるための作戦だったのですね、と念を押されると「そう、完璧に遂行したよ」と不敵な笑みを浮かべた。

彼によれば、イングラムのドライブを止めたファウルは「激しいプレーだけど、ケガさせるような汚いプレーじゃない。相手がジャンプしていない時を狙ってタックルに行った」というもので、テクニカルファウルの判定に「納得しているけど、取り消されることを期待している」と言う。

ただ、テクニカルファウルが累積すると出場停止になる可能性があるが、グリーンは恐れはしない。「僕はいつも同じ強度でプレーする。コートに足を踏み入れる時に、その心配はしない。手加減してプレーするようなら、そこにいる意味はない」