チームの脆さも露呈し「全員がこの試合で再確認できた」
3月22日、富山グラウジーズは川崎ブレイブサンダースに4点差で敗れた。それでも、中地区首位を走る川崎をあと一歩まで追い詰めたことは収穫であり、4本の3ポイントシュートを含むシーズンハイの17得点を挙げた小野龍猛も「下を向かずにもう一度気を引き締めて、常に40分間戦えるようにしていきたい」と前を向いた。
前半を2点ビハインドで終えた富山だったが、「良い時間帯を自分が作れた」と振り返ったように、小野が3本連続で3ポイントシュートを沈めたことで第3クォーターに逆転。その後も強みを生かしたプレーを続け、クロスゲームを演じた。小野も「自分たちの武器であるジョシュア・スミスにボールを入れたり、速攻も出たり、自分たちのペースで進めた」と振り返ったが、「リードした際の気の緩みが最後まで出て、川崎さんのプレッシャーに自分たちが負けてしまった」と続けた。
富山は以前からターンオーバーを課題に挙げていたが、この試合でも23ものターンオーバーを犯し、最終クォーターにも5本を数えた。特に問題のプレーは残り2分を切った場面で起きた。同点に追いつかれた直後、藤井祐眞に3ポイントシュートを射抜かれてついに逆転を許した。ここで集中力が切れた富山はインバウンドパスを藤井に奪われて、シュートファウルを犯した。小野は言う。
「外のシュートばかりになって走られて、決められた後のスローインの時に全員がボールをもらう意識がなく、他人任せになっていました。そういう一つひとつの意識が足らないというか、40分間集中し続けるというのはまだ全然できていないと思います」
今回の敗戦により、滋賀レイクスとのゲーム差は1に縮まってしまった。Bリーグ誕生以降、強豪の千葉ジェッツで長年過ごしてきた小野にとって降格争いは初めての経験となる。もちろん、負けられないプレッシャーを受け止めることも必要だが、試合を楽しむ余裕も持つべきだと小野は持論を語った。「危機感は全員持っていると思いますし、勝てば間違いなく降格にはならないので。弱気になるのではなく、そのゲームを楽しむこと、出ている選手が責任を持ってやることが一番大事だと思っています」
強豪の川崎を追い詰めつつ、自分たちの脆さも露呈した富山。「40分間やらなきゃいけないというのは、全員がこの試合で再確認できた」と言う小野を筆頭に、これまで以上の集中力で降格争いからの脱出を図る。