ルカ・ドンチッチ

5試合欠場が続くルカ・ドンチッチの復帰に期待

レギュラーシーズン終盤となった今の順位表を見ていると、新世代のスター選手を擁する選手が上位に来ている傾向が見て取れる。東ではヤニス・アデトクンボ、ジェイソン・テイタム、ジョエル・エンビードにダリアス・ガーランドで、西ではニコラ・ヨキッチ、ジャ・モラント、ディアロン・フォックス、デビン・ブッカー。この3年ほどでチームの中心へと駆け上がった彼らの成長が、チームに勢いを与えているようだ。

だが、レブロン・ジェームズとステフィン・カリーに代表される世代の『次』の象徴である一人、ルカ・ドンチッチを擁するマーベリックスはいまだ36勝36敗でプレーイン・トーナメント圏内に留まっている。年明けに貯金6、2月上旬に貯金5を作り出したが、そのどちらもすぐに失速し、勝率5割に収束している。カンファレンスファイナルに進出した昨シーズンのポテンシャルは今もあるはずだが、安定した強さを発揮できない。

現地3月22日にはウォリアーズとの大一番を迎える。昨シーズンのカンファレンスファイナルで戦った相手は、7位のマブスに対して0.5ゲーム差の6位。対戦成績は1勝1敗で、次の試合で勝てばタイプレークで優位に立ち、実質1.5ゲーム差を付けられる。その後の日程は比較的楽で、ここで勝てばプレーオフのストレートインとなる6位確保に大きく前進できる。

チームを引っ張るべき両エースはどちらもコンディションに難を抱えている。ドンチッチは現地8日のペリカンズ戦で右太ももを痛めて試合途中でプレーを切り上げ、その後の5試合を欠場。ドンチッチ不在の影響は大きく、マブスはこの試合から2勝4敗と失速してしまった。それでもドンチッチは通常のチーム練習に参加できるまでに回復している。

カイリー・アービングは右足を痛めて3試合を欠場した後に復帰。レイカーズ戦では38得点でチームを勝利に導いたが、続くグリズリーズ戦でディロン・ブルックスとの接触で右足のケガを再発させた。「次の試合にはどうしても出たい。プレーできるよう最善を尽くす」と彼は語っている。

勝率5割のチームがプレーイン・トーナメントを突破しても、プレーオフでの上位進出は望み薄だと言わざるを得ない。特に主力がコンディションに不安を抱えている現状、プレーイン・トーナメントを回避してその期間を休養と調整に使えるかどうかで大きな差が出てくる。3年目のジョシュ・グリーンやルーキーのジェイデン・ハーディーの成長はあるが、やはりマブスはドンチッチのプレー次第のチーム。ドンチッチがプレーで引っ張ることで、チームに勢いが出る。彼への依存が強すぎるものの、それだけのスーパースターを擁しているのはマブスにとって大きな強みだ。

レギュラーシーズンで最も重要な一戦となるウォリアーズ戦にドンチッチがどれだけのコンディションを整え、どれだけのパフォーマンスを見せるか。マブスのポストシーズンを占う試合となるのは間違いない。