タイラー・ヒーロー

残り9試合「プロセスにこだわって戦い続ければ大丈夫」

ヒートは東カンファレンス7位とプレーオフ進出に向けて苦戦を強いられている。一時期の不調を脱したが、現地3月19日のピストンズ戦では下位のチームを相手に第3クォーター途中からリードを許す展開に。それでも98-98の同点で迎えたラスト3分20秒から14-2のランで圧倒し、112-100の勝利を収めた。

ピストンズが最後のフィールドゴールを決めたのは残り4分20秒。その後はジェイデン・アイビーのフリースロー2本しか得点を与えない完璧なディフェンスを見せた。ジミー・バトラーは「僕らは相手を止めたい時に止める」と誇らしげに語る。「止めなきゃいけない時はいつだって止める。正しい方法で正しく努力すれば問題は起こらない」

第4クォーター残り6分半でバトラーがベンチからコートに戻り、その後はヒートが試合を支配したのだから、その言葉に偽りはない。ラスト6分半のスコアは24-11だった。

第4クォーター残り5分で5点差以内だった『クラッチゲーム』は、ヒートにとって今シーズン51回目。この状況でバトラーはフィールドゴール成功率49.5%の144得点と19アシストを記録し、ターンオーバーはわずか7と圧倒的な勝負強さを記録している。クラッチゲームでバトラーより多くの得点を挙げているのはキングスのディアロン・フォックス、ブルズのデマー・デローザンしかいない。

少し前に負けが続いた時期にはバトラーが怒りを込めて「もう負けるのはたくさんだ」と発言した。勝てずにナーバスになるチームにさらなる混乱を引き起こしかねない強い言葉だが、ヒートの選手たちはこれに委縮するのではなく奮起し、再びチームは軌道に乗った。

そして、この試合ではタイラー・ヒーローもクラッチプレーヤーぶりを見せ付けている。ラスト3分20秒での14得点のうちヒーローは10得点を記録。突き放されて慌ててしまい、攻撃に意識が向きすぎたピストンズのディフェンスが甘くなったのを逃さず、一気に2桁のリードを作り出した。

ヒートを率いるエリック・スポールストラは「タイラーはクラッチプレーを決めるために生まれてきた。チームが本当に必要とする時に、難しいシュートを決めてくれる選手だ」とヒーローの勝負強さを称えた。

プレーオフのストレートインとなる6位ネッツとは1ゲーム差。ヒートはすでにネッツに2敗しているため実質2ゲーム差で、レギュラーシーズンの残り9試合でひっくり返すには1試合も無駄にはできず、特に現地3月25日の直接対決での勝利が必須となる。ヒーローは「トップ6シードに入るのが目標だ。プロセスにこだわって戦い続ければ大丈夫」と語り、レギュラーシーズンのクライマックスに自信を持って飛び込んでいく。

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