「バックスとスパーズのバスケは似ていると思う」
『マム』ことサンドロ・マムケラシュビリは2021年のNBAドラフトでペイサーズから2巡目指名を受け、その日のうちにバックスにトレードされた。バックスとは2ウェイ契約を結び、昨シーズンは41試合に、今シーズンは24試合に出場したが、1年半で平均9.6分の出場、3.2得点、2.1リバウンドと目立った結果は残せていない。その彼はバックスから契約を解除され、すぐにスパーズ入りが決まった。
マムケラシュビリは身長211cmのパワーフォワードで、ヨーロッパ出身選手らしく多彩な能力を持つオールラウンダー。ニューヨーク生まれだが育ったのはジョージアのトリビシで、ジョージア代表の一員として昨年のユーロバスケットにも参加。強豪スペイン戦を含む4試合に出場して15.2得点、11.0リバウンドを記録している。
現地3月3日のロケッツ戦で、マムケラシュビリはスパーズでのデビューを飾っている。16分の出場で6得点2リバウンドとスタッツは目立つものではなかったが、新しいチャンスを得られたことに興奮している様子は明らかだった。
彼は試合前のシュートアラウンドの際に取材に応じている。「解雇から新たな契約を結ぶまでは長い2日間だったけど、ここに来ることができて良かった。スパーズは選手育成に長けた組織で、その一員になれて光栄だ。もっと良い選手になるために、できる限り多くのことを学びたい。シーズンは残り少ないから、できるだけ生産性を高めなきゃいけない」
もともとスパーズは、NBAドラフトを前にマムケラシュビリを練習に招いている。バックスを率いるマイク・ブーデンフォルツァーは、スパーズでポポビッチのアシスタントを長く勤めていた。今回、マムケラシュビリの新天地がすぐに決まった背景には、2人のコーチの深い結び付きがありそうだ。
「バックスではベテランが多くて、たくさんのことを学べたけど、ここでは若さとか競争心が僕を押し上げてくれると期待している。ヨーロッパ出身の選手が多いことも、僕にとってはやりやすいと思う」とマムケラシュビリは言う。
「よく知っている選手がいるわけじゃないし、まだここに来て24時間もたっていないけど、バックスとスパーズのバスケは似ていると思う。練習のやり方、プレーコールは似ていると感じた。これから先も、そう思うことがたくさん出てくると思う」
バックスでは2ウェイ契約だったが、今回スパーズとは通常契約を結んだ。優勝争いをするバックスは若い彼に経験を積ませる余裕がなかったが、再建中のスパーズは良い素材と判断して獲得したのだろう。バックスやジョージア代表での経験を生かせるチームに身を置くことで、マムケラシュビリは思わぬブレイクを果たすかもしれない。