両チーム最多となる6本の3ポイントシュートを決める
2月23日、男子日本代表がワールドカップ2023予選最後の連戦となるWindow6の初戦でイランと激突した。前回対戦時は、11点差で苦汁を飲まされたアジアの難敵を相手に序盤からアウトサイドシュートを決めてリードを奪い、96-61で快勝した。
日本はアジア地区予選最多(タイ)となる17本の3ポイントシュートを沈めたが、そのうち6本を沈めて圧巻の代表デビュー戦を飾ったのが東海大2年の金近廉だ。196cmの高さを生かして内外問わず得点できる大学No.1プレーヤーとして、昨年のインカレ優勝に貢献した金近は、大学生以下を対象としたディベロップメントキャンプからフル代表の合宿に参加し、代表メンバー入りを果たした。
金近は第1クォーター残り4分半に出場すると、ドライブでイランのディフェンスを引き付けて河村勇輝の3ポイントシュートをいきなりアシストする。第2クォーターには、味方の外れたシュートをそのままタップで押し込み初得点に成功。そして、残り4分半にタフな体勢から自身初となる3ポイントシュートを沈めて会場を盛り上げる。また、クォーター終盤にイランのレイアップをブロックしたようにディフェンスでも存在感を発揮。第3クォーター以降は、好調の3ポイントシュートを4本沈めてさせてゲームハイの20得点を叩き出した。
試合後、金近は自身のパフォーマンスに驚きながらこう振り返った。「初めての試合で、ここまでうまくいくと思っていなかったので驚きが大きいです。でも、チームで一番得点を取れて勝利に貢献できたという実感もあるので、シュートを決められて良かったです。初めて試合に出るということでイランも自分の特徴を分かっていなくて、マークが甘かったと思います。パスを受けてフリーでシュートを打つというシンプルなバスケットができました」
絶好調の3ポイントシュートを支えた河村とのコミュニケーション
大学ではオフェンスの中心としてプレーする金近だが、日本代表では得意の3ポイントシュートを生かすシューターの役割を任されている。「トム(ホーバス)さんからシューターが役割だと言われているので、そこは合宿中意識してやってきました。オフボールの動きを徹底して、思い切り良くシュートを打つことができたと思います」
10本中6本と高確率で沈めた3ポイントシュートの裏には、東海大で1年間ともにプレーした河村の存在もあったという。「(大学で)一緒にやっていた分、勇輝さんは僕のことを一番分かってくれています。今日もシュートを落とした時に『次も打っていいよ』って言ってくれました。1年間だけですけど、一緒にやれたことで他の選手よりコミュニケーションが取れていると思います」
結果的には快勝を収めたが、課題も見つけることができたと話す。「フィジカルはまだですね。今日は何本かうまく取ることができましたが、外からリバウンドに入って来る選手も多いので、しっかりと止めないといけないです。また、スイッチしてビッグマンをマークすることも多いので、しっかり身体を張って守れるようにしたいと思います」
「今日はうまく行き過ぎました。次の試合から期待されると思うので、しっかり得点を取れるようにしたいです」と、次戦に向けて意気込んだ金近。今後も日本バスケファンの期待を超えるようなプレーを見せてもらいたい。