ドレイモンド・グリーン

「ディフェンスは意思がすべて。『絶対に守るんだ』という気持ち」

ウォリアーズが過去8シーズンで4度のNBA優勝を果たして築いた『王朝』では、ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの『スプラッシュブラザーズ』による3ポイントシュート攻勢のイメージが強いが、そこには常にしなやかで粘り強いディフェンスの存在があった。

今シーズンは29勝29敗と大苦戦中。現地1月14日の試合でクリッパーズに敗れた試合後、ドレイモンド・グリーンは、昨シーズンの優勝により気の緩みがあるのではないかと問われ「60試合近く消化して勝率5割で酔っぱらっているヤツなんていない」と言い、チームに喝を入れるかのようにこう続けた。

「原因はディフェンスへの意識の欠如だ。相手を守って止める、ヘルプにトラップにローテーション。ディフェンスは常に、さらに一歩か二歩を踏み出せるかどうかにかかっている。それをやる意思がチームとして足りていないのが現状だ」

カリーが肩を痛め、そして左膝を痛めて欠場する試合が増えているが、クレイ・トンプソンにアンドリュー・ウィギンズ、ジョーダン・プールと点を取る選手は足りており、得点ではリーグ2位と好調だ。その一方で失点ではリーグ21位。グリーンは「自分たちのディフェンスが良くないことを認めなければいけない」と語る。

「今シーズンはずっとディフェンスが良くないんだから、改善しなきゃならない。そのためには気持ちの持ちようを変える必要がある。ディフェンスは意思がすべてで、『絶対に守るんだ』という気持ちが大事になる。はっきり言って楽しいものじゃない。でも、やらなきゃいけないんだ」

「僕はいつもディフェンスで努力しているつもりだけど、もっと上手くやれるはずだ。僕もディフェンスの問題に責任があるわけで、誰かの責任にするつもりはない」

クリッパーズ戦を終えて、ウォリアーズは他のチームより一足早くオールスターブレイクに入った。長いシーズンを戦う上ではここで休養を取り、心身ともにリフレッシュすることも大事だが、このタイミングでグリーンが厳しい言葉を発したのは、シーズン中には滅多にない中8日のまとまった期間を活用してチームを立て直さない限り、今シーズンは失敗に終わるという危機感があってのことだろう。

カリーが復帰したところで、ディフェンスを改善できない限りウォリアーズの浮上はない。ただ、良い前例は2017-18シーズンで、レギュラーシーズンのディフェンスは11位だったが、プレーオフになって1位へとステップアップして優勝を勝ち取っている。その時の再現を果たしたいところだが、今のリーグ21位では希望は持てない。このブレイクを活用して最低でもリーグのトップ10かそれに近いところまでディフェンスを改善することが、ウォリアーズの連覇には絶対必要なステップとなる。