29得点16リバウンドのロングがセカンドチャンスポイントを荒稼ぎ
2月12日、宇都宮ブレックスとレバンガ北海道の第2戦が行われた。試合前に小野寺龍太郎ヘッドコーチ代行から「ミスしても良いから点を取ってくれ」と声をかけられたショーン・ロングが29得点16リバウンドでインサイドを終始圧倒。勝因となったセカンドチャンスポイントをロングが荒稼ぎして77-64で北海道が勝利し、小野寺ヘッドコーチ体制になって初白星を飾った。
第1戦はトータルリバウンドで18-45と大きく突き放されてしまった北海道だったが、この日は、第1クォーターからインサイドを中心に球際の強さを発揮する。リバウンドに積極性を見せたことで、宇都宮から連続でファウルを誘発し思うようにプレーさせない。オフェンスでは、ブロック・モータムがファストブレイクを連発したことで、開始3分で7-0のランで先行する。比江島慎や高島紳司に3ポイントシュートを射抜かれるも、2-3ゾーンでゴール下を固めて連続失点を防ぐ。また、途中出場の島谷怜がスティールからトランジションオフェンスに繋げたようにベンチメンバーも得点に絡むと、ロングがセカンドチャンスポイントを決めて、最初のランを超える8-0のランを終盤に成功させて、17-8で最初のクォーターを終える。
第2クォーター、マンツーマンディフェンスに戻した北海道は、遠藤祐亮のミドルシュートや高島のドライブで失点したが、徹底してインサイドに人をかけて守ることで、ジョシュ・スコットとアイザック・フォトゥの得点をゼロに抑え込む。第1クォーターに機能したトランジションからロングが得点に繋げると、桜井良太の3ポイントシュートも飛び出してこの日最大の17点差で試合を折り返した。
第3クォーターに入ると、宇都宮は遠藤のバックカットで後半の初得点を記録すると、トランジションで比江島のバスケット・カウントも飛び出してビハインドを縮める。ディフェンスでは、前半に15得点を奪っていたロングにプレッシャーをかけて3秒バイオレーションを誘発するなど守備も安定し始める。また、ここまでリズムに乗り切れていなかったフォトゥが初得点を記録し、少しずつ北海道の背中が見え始める。
追い上げムードとなった宇都宮だが、5分を切ると前半と同様にリバウンドで粘る北海道にセカンドチャンスポイントを許してしまい再び点差を戻されてしまう。また、追い上げの一翼を担っていた比江島がクォーター残り2分に個人4つ目のファウルを犯し、攻撃力不足に陥った。一転して苦しい状況となった宇都宮は、ラストオフェンスにグラント・ジェレットがバスケット・カウントを成功させたが、15点の大量ビハインドを背負ったまま最終クォーターへ突入した。
宇都宮の反撃を受けて第3クォーターの後半からギアを入れ直した北海道は、第4クォーター序盤こそ宇都宮に3ポイントシュートや速攻で連続得点を許すも、ピック&ロールからモータムのフローターやディフェンスがインサイドに収縮したことを見たロングが松下裕汰の3ポイントシュートをアシストするなど、落ち着いたゲーム運びを見せる。北海道が2桁リードで迎えたオフィシャルタイムアウト後には、ここまでゴール下で存在感を発揮していたロングが再びセカンドチャンスからバスケット・カウントに成功。その後も、フリースローをきっちり沈め続け危なげなく逃げ切った
第1戦の敗因となったリバウンドで40-29と圧倒し、連敗を3でストップした北海道。小野寺ヘッドコーチ代行はこのように試合を振り返った。「昨日はセカンドチャンスやファストブレイクから崩れてしまいましたが、今日は連続してやられることなく相手の流れを切ることができました。そして、(プレーの)インテンシティだったりリバウンドに対する意識を整理して、宇都宮さんがやりたいバスケをしっかり止めることができていたと思います」
また、前節までチームの指揮を執っていた佐古賢一元ヘッドコーチへの思いを語った。「勝った瞬間は、1シーズンと今シーズンの36試合の間佐古さんの下でやっていたので、佐古さんへの思いがありました。佐古さんがここまで積み上げてきた戦うマインドを選手たちがゲームの序盤から発揮してくれたと思います」