バスケ以外の日本代表コンテンツは地上波で見られた
スポーツの秋、その真っ只中の11月は様々な日本代表戦が行われた。侍ジャパン(野球日本代表)はメジャーリーガーを迎えて4年ぶりに日米野球を開催。サムライブルー(サッカー日本代表)はアジアカップへ向けた親善試合を行いながら調子を上げている。日本開催のワールドカップを来年に控えるブレイブブロッサムズ(ラグビー日本代表)は強豪国を相手に腕試し。東京オリンピック出場権を懸けた柔道グランドスラムも大阪で行われ、それらはいずれも地上波テレビで生中継され、気軽に応援することができた。
プレミアムフライデーの今夜、我らがAkatsuki Five(男子バスケットボール日本代表)がワールドカップ進出を懸け、負けられないホーム2連戦の初陣を迎える。チケットは発売と同時に完売となったが、先に挙げた他競技とは違い、地上波での生中継がない。リアルタイムで観戦するにはCSフジテレビやDAZN、またはFIBAが提供するLIVE BASKETBALLの有料放送に加入しなければならず、同じ代表戦ながら観戦ハードルがグンと上がってしまう。チケットが完売しているからこそ、地上波生中継を是非ともお願いしたい気持ちはある。
しかし現実は、侍ジャパンの日米野球は6試合平均3万6749人、サムライブルーのキリンチャレンジカップは2試合平均3万5859人、世界最強のオールブラックス(ニュージーランド代表)を迎えたブレイブブロッサムズも4万3751人を集客している。富山市総合体育館のキャパシティは5000人に満たず、その差は約8倍。完売といってもその集客数は大した数字ではなく、地上波としてスポンサーが付きにくい状況が考えられる。
渡邊雄太の出身校にはコンパクトな5000人アリーナが
最近、Bリーグが掲げる『夢のアリーナ構想』の話題を耳にする機会が多い。リーグが自前でNBAのような大きなアリーナを保有して自由に使えるのはまさに『夢の構想』である。一方、B1クラブライセンスには「5000席以上の観客席を有すること」と明記されている。運営努力で席を並べたり、立見席でライセンスをクリアするケースはあるが、ホームアリーナ自体がその席数をカバーできていないところがほとんどである。
NBAアリーナの建築面積は首都ワシントンD.C.にあるウィザーズの本拠地キャピタル・ワン・アリーナで約1万8000平方メートル、マンハッタンの中心にあるニックスのマディソン・スクェア・ガーデンは約1万5000平方メートルだった。その規模は、アルバルク東京のホームアリーナに行くモノレールから見えるイケア立川とほぼ同じ。これから代表戦を行う富山市総合体育館は1万2770平方メートルであり、建築面積だけで言えば1万人アリーナでもおかしくはない。
渡邊雄太の出身校、ジョージ・ワシントン大学のチャールズ E スミスセンターは5000人収容のアリーナだが、その建築面積はたった約4500平方メートルしかない。これは約6000平方メートルのアリーナ立川立飛よりもコンパクトだ。チャールズ E スミスセンターの場合、観客席が急勾配であり、その分コンパクトながらキャパシティが確保されている。さいたまスーパーアリーナもNBAに比べると角度は緩やかであり、詳しく調べなければ分からないが、消防法などであまり急勾配なものが建てられない制限があるのかもしれない。
チャールズ E スミスセンターは、両サイドの座席が引き出し式となっている。試合がない日はコート2面、6台のゴールを使って練習ができ、試合になればそのシートを人力で引っ張り出すことでアリーナが完成する。また、2階席の観客席が収納される下のデッドスペースにもゴールが設置されており、ウォームアップコートとして有効活用されていた。センターハングビジョンは常設で、そのままバレーボール部の練習も行っていた。NBA規模の『夢のアリーナ』も楽しみだが、各クラブが練習から自由に使うことができ、大掛かりな設営をする必要のない使い勝手の良い5000人アリーナこそが求められるのではないだろうか。
まだまだ5000人程度では地上波放送を勝ち獲ることができない。しかし、今日の試合をしっかり勝利し、各局のスポーツニュースで取り上げられることでバスケットボールを目に触れる機会を増やすことができる。プレミアムチケットをゲットされた方は、アカツキファイブカラーの赤いウェアを身につけ、その盛り上がりをテレビやマスメディアに思い知らせて欲しい。ガンバレ、ニッポン!
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