ともにチームハイの23得点21リバウンドを記録「チームが苦しい時こそ自分の出番」
12月28日、ウインターカップ準決勝で開志国際と藤枝明誠が対戦。前半にリードを許した開志国際は第3クォーターにしつこくインサイドアタックを続けたことで、この日23リバウンドを記録していた藤枝明誠のボヌ・ロードプリンス・チノンソのファウルトラブルを誘う。ゴール下で優位に立った開志国際はペイントエリアで得点すると、アウトサイドシュートも決まりだし逆転。第4クォーターも一進一退の攻防を繰り返したが、残り5秒に介川アンソニー翔がゴール下からの得点で再逆転し、78-76で決勝進出となった。
この日フル出場でチームハイの23得点をマークした武藤俊太朗は次のように試合を振り返った。「もうちょっとインサイドで力強くプレーできれば良かったんですけど、苦しい時間帯で3ポイントシュートやリバウンドでチームを救うことができたと思います」
平均12.5リバウンドで留学生に次ぐ大会5位の武藤は、この試合でもチームハイの21リバウンドを記録してインサイドで仕事をすれば、アウトサイドまで広がって3ポイントシュートを決めるなどオールラウンドな活躍が目立った。特に第4クォーター残り4分、チノンソのブロックでこぼれたボールを拾いゴール下で得点すると、その後のオフェンスでトップの位置にカットしてボールを受け、ディフェンスのプレッシャーをフェイクでいなして放った3ポイントシュートで逆転に導いており、富樫英樹コーチも「あれで流れが変わった」と称賛した。武藤は言う。
「インターハイが終わってからプレーの幅を広げようと考えて、3ポイントシュートに挑戦しました。だいぶ打ち込んできたので自信を持って打つことができました」
また、自身のチームの役割について次のように話す。「うちはアンソニーが中心のチームなので、自分がエースになるのは厳しいと思っていました。けど、違う活躍の仕方がまだバスケットにはいっぱいあるので、そこでチームをサポートしていきたいとプレーしています」
介川がチームの大黒柱として活躍する中、武藤が見つけた仕事はリバウンドやルーズボールなどの泥臭いプレーだと話す。「自分が得点をしつつ、泥臭い部分でチームを支えることが仕事です。チームが苦しい時こそ自分の出番だと思うので、アンソニーに任せながらも得点が取れなくなったら自分が行くっていう感じで、良いサークルでできています」
次戦はインターハイで苦汁を飲まされた福岡第一との決勝となる。「(福岡第一は)やはりプレスディフェンスのイメージが強いですが、インターハイが終わってからずっと対策はしてきました。自信を持って挑みたいと思います」。また、2年前に新型コロナウイルスの影響によって大会を途中棄権となったことを思い返しながら決意を語った。「コロナで棄権となった経験を持つ最後の学年なので、先輩たちの分も背負ってみんなで頑張ろうと話しています。インターハイでは悔しい思いをしたので福岡第一さんにリベンジして優勝します」