「最初から強く行けば緊張感もほぐれるので、ゴリゴリにインサイドで行きました」
ウインターカップ男子2回戦、今年のインターハイ準優勝である開志国際と去年のウインターカップでベスト4の仙台大学附属明成による強豪対決が行われ、ゴール下の攻防で優位に立った開志国際が82-65で制した。
試合は互角の立ち上がりとなるが、第1クォーター中盤から開志国際が介川アンソニー翔、武藤俊太朗のフォワード陣によるインサイドアタックで得点を重ね26-20と先手を取る。第2クォーターに入ると、ともに相手ディフェンスを攻略できず我慢比べとなるが、開志国際は介川がゴール下で存在感を発揮することでこのクォーターでも12-6と上回り、リードを12点に広げて前半を終えた。
後半に入ると前半は無得点だった明成のエース、八重樫ショーン龍にようやく当たりが来始め、トランジションからの得点を許すなど悪い流れとなり第3クォーター終盤には7点差にまで詰め寄られた。しかし、ここで開志国際は武藤が合わせのプレーによるインサイドアタックで連続得点し、リードを再び2桁に戻す。これで悪い流れを断ち切ると、第4クォーターでも武藤を軸にインサイドで主導権を握り続けた開志国際が2桁リードをキープする盤石の試合運びで制した。
試合後、開志国際の富樫英樹コーチは、「インサイド勝負は最初から言っていました」と振り返った。この肝となる部分で主導権を握れたのは、25得点10リバウンド6アシストの介川、22得点13リバウンド6アシストの武藤の両フォワードの攻守に渡る活躍が大きかった。
第1クォーターで11得点3アシストと流れを引き寄せる立役者となった介川は「とりあえず山場を越えられてうれしいです」と語ると、インサイドアタックは特に意識していたと続けた。「富樫先生から『最初はインサイドで行ったら相手は絶対に嫌がるから』と言われていました。そして最初から強く行けば緊張感もほぐれるので、ゴリゴリにインサイドで行きました」
ただ、25得点についてはもっと増やせたと貪欲だ。「リバウンドとアシストは良かったですが、得点は自分で行けたところでパスをしちゃった部分が何回かあるので、個人的にはもっとできたと思います。ダンクもしたかったです」
明成への勝利は一つの大きな壁を超えたことになるが、開志国際が見据えるのはあくまでインターハイではあと一歩で逃した頂点だ。だからこそ、介川はこう語る。「最初は狙い通りにできましたが、途中で得点が止まってグダグダになった部分があります。最初のような戦いを最後までやるのが理想です」
そして、これからも続いていく激闘を前に、こう意気込みを語った。「これからも気を抜かないで一戦一戦、大事にして戦いたいです」
ウインターカップでは初の頂点を目指す開志国際だが、その力は十分にあることを示す本日の戦いぶりだった。