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フリースロー成功率35.5%は何としても改善の必要あり。

NBAでは、リードしているチームが試合終盤にたびたび取る戦術がある。通称『ハック戦術』と呼ばれるものだ。

これは、リードしているチームが、対戦相手の中でフリースロー成功率の低い選手をファウルで止め、故意的にフリースローを打たせて時間を消費させるという作戦で、シャキール・オニールに対し頻繁に用いられた戦術ということにちなみ、『ハック・ア・シャック』と呼ばれた時代もあった。

シャック引退後の今、この『ハック戦術』の餌食となっているのがピストンズのアンドレ・ドラモンドだ。今シーズンは1試合で平均7.2本のフリースローを獲得しながら、成功率はキャリアワーストの35.5%、つまり1試合で2本か3本しか決められなかった。ヘッドコーチのスタン・ヴァン・ガンディは今シーズン最後の会見でこの弱点について指摘され、こう答えている。

「アンダーハンド投法も含め、あらゆる可能性をアンドレ本人とも話している」

キャバリアーズに敗れたプレーオフ1回戦では、僅差で迎えた試合終盤にハック戦術を回避するため、ヴァン・ガンディは仕方なくドラモンドをベンチに下げることも多かった。キャブスとしては、インサイドでは圧倒的な存在感を放つドラモンドを無力化する策が見事に当たったことになる。

7シーズンぶりのプレーオフ進出からさらに上のレベルに進むため、この夏、ピストンズはドラモンドのフリースロー改革を実行に移すことになる。