千葉Jに連敗「ジェッツの勢いに付き合ってしまったところが個人的にあります」

秋田ノーザンハピネッツは前節、アウェーで千葉ジェッツと対戦した。東地区のトップを快走する難敵を相手に第1戦は第1クォーターに16点のリードを奪うも78-89で逆転負けを喫し、第2戦も終盤まで接戦に持ち込んだが67-75で敗れた。ともに十分に勝つチャンスはあったがここ一番での決定力に差を感じる連敗となってしまった。

第2戦の後、秋田の田口成浩はこう振り返る。「昨日と同じ感じで終盤までトントンで行っていて、あと一歩のところでジェッツの強さを感じて終わるという2日間になってしまいました。こちらはチャンスを決めきれなかった弱さを感じました。ただ、接戦まで行けたというところで自信を持っていい部分もあります。このできなかったところをいかに積み上げていくのかが本当に大事になってくるので、引き締めていきたいと思います」

そして、相手の土俵で戦ってしまい、変化をつける必要があったと続けた。「最後のここ一番のところで、一つ守った後に決め切ったり、チームのオフェンスをしてフリースローをもらうことをやらないといけなかったです。また、ジェッツの勢いに付き合ってしまったところが個人的にあります。同じ雰囲気だとジェッツの方が強いよねと。そこは空気を変えたり、ゆっくり落ち着いてプレーすれば良かったです」

田口個人としては、第1戦は8得点、第2戦は9得点とベンチスタートからまずまずのプレーを見せたが、代名詞である3ポイントシュートは2試合合計で8本中1本成功のみと不発に終わった。それもあって「良くはなかったなと思います」と自身のプレーを総括する。「相手は徹底的に3ポイントシュートを消してきました。それを分かった上で中に切れ込む動きなどを意識していましたが、(切れ込んだ後の)レイアップやミドルシュートの確率が上がってくれば相手も的を絞れなくなってより3ポイントシュートも打てたのかなと思います」

「今日はちょっとムキになるではないですが、絶対に入れてやるぞという気持ちで1本目が決まって『よし!』と思いましたが簡単ではなかったです。ジェッツの守備の徹底具合はさすがだと思いますし、そうやって守ってくる相手に対してどうやっていかないといけないのか、あらためて課題を感じた2日間でした」

「状況的に自分を見てくれているプレーがたくさんあるからです」

本人はこのように反省しきりだったが、今の田口は相手の3ポイントシュート対策に対して、味方のスクリーンを上手く使ったカットインや効果的なドライブなど、これまでと比べてもシュートのバリエーションが広がっている。それが数字にも表れ、今シーズンはここまで平均13.1得点を挙げている。

昨シーズンまで、田口のB1での最高平均得点はリーグ初年度の11.5得点だが、当時の彼は不動の先発で平均30分以上のプレータイムを与えられていた。だが、今シーズンの起用法はベンチスタートで出場時間は平均20分ほど。その中でキャリアベストを更新するペースで得点を挙げているのは特質すべき点だ。

その理由について田口は、チームのサポートが大きいと強調する。「自分でも点数を取れていると感じていますが、状況的にファーストオプションだったり自分を見てくれているプレーがたくさんあるからです。自分が思いっ切り行くんだという気持ちに加えて、スティーブ(ザック)のスクリーンだったりガード陣のコントロールだったりが噛み合った上での結果です。シュートを打つ役割を与えられている以上、数字を残すんだという気持ちでやっているのが結果に繋がっていると思います。これを続けていきたいです」

現在7勝9敗の秋田は今週末、ホームで川崎ブレイブサンダースを迎え撃つ。そして家庭の事情でチームを離れていた前田顕蔵ヘッドコーチは指揮を執ることはないが、ベンチ入りと待望のチーム合流を果たす。連勝し勝率を5割に戻すための舞台は整っており、2試合ともしっかり勝ち切るためには、リーグ屈指のシックスマンとなっている田口が試合の流れを変えたり、チームにさらなる勢いを与える活躍が求められる。