センター不在の状況、レブロンがリバウンドで奮闘するも及ばず
レイカーズは絶好調のアンソニー・デイビスに牽引され、直近の10試合で8勝2敗とようやく波に乗ったところだったが、キャバリアーズ戦ではそのデイビスが試合開始から8分間プレーしただけでコートを離れ、第4クォーターに失速して102-116で敗れた。
デイビスがプレーを続けられなかったのはケガではなく体調不良で、新型コロナウイルスではないが発熱があったとヘッドコーチのダービン・ハムは明かす。試合前の時点でデイビスは38℃前後の熱を出していたが、彼自身がプレーすることを望んだ。
「冬の時期になって寒暖差も激しいし、ロサンゼルスから他の街への移動が続く。この時期の体調管理は難しいんだ。彼は今朝早くに体調に違和感があり、時間の経過とともに悪化したようだ」とハムは説明する。デイビスはコートを離れるとそのままロッカールームに直行し、アリーナの医務室で点滴を受けた。
タイミングが悪いことに控えセンターのウェニェン・ゲイブリエルもケガで欠場しており、ビッグマンはトーマス・ブライアントだけとなった。こうなるとキャブズ自慢のジャレット・アレン、エバン・モーブリーの強力インサイドが猛威を振るう。この状況でレブロン・ジェームズはペイントエリアでの守備で奮闘し、アレンやモーブリーを上回る17リバウンドを挙げたものの、そちらにエネルギーを使った影響か得点は21と伸びなかった。インサイドで劣勢ならば外で挽回したいが、レイカーズの3ポイントシュートはこの日もタッチが悪く、36本打って成功わずか6本(16.7%)とあまりにも決まらなかった。
その状況で試合を決めたのは、キャブズの新たなエースとなったドノバン・ミッチェルだ。85-83で迎えた第4クォーターにギアを上げ、フィールドゴール6本中5本成功、5本のフリースローをすべて決める17得点を挙げ、接戦だった試合を一気に優勢へと転じさせ、残り3分半の時点でレイカーズに主力を下げさせている。この時、ダメ押しとなった得点も、ミッチェルがディフェンスの手前からねじ込んだ3ポイントシュートだった。
試合を通じて43得点を記録したミッチェルの活躍を前に、レブロンはデイビスのアクシデントを言い訳にせず「デイビスがプレーを続けられたとしても、簡単な試合じゃなかった。彼はウチのギャップを突き、タフショットを決め、素晴らしいプレーをしていた。特別な選手だよ」と相手を称えた。
開幕から2勝10敗と想像し得る限り最低のスタートを切ったレイカーズだが、その後は試合を重ねるごとに復調し、勝率5割が見えるところまで来ていた。だが、この間ほとんどの試合でチームトップの得点とリバウンドを記録する強烈なパフォーマンスでチームを引っ張ってきたデイビスが不在だと、レイカーズは全く違うチームになってしまう。通常の風邪であれば欠場は長引きはしないだろうが、それでもデイビスの良いリズムに一度ストップがかかるのは免れない。
クリーブランドからトロントに移動して、明日にはバック・トゥ・バックの2試合目が控えている。その後もシクサーズ、ピストンズと敵地での試合が続く長期遠征で、デイビス抜きでどれだけのパフォーマンスを見せられるか。せっかくの上昇ムードをここで消さないために、残された選手たちには奮起が求められる。