スタートダッシュに成功するも後が続かない富山
大阪エヴェッサと富山グラウジーズの第2戦は、前夜の第1戦以上に激しい接戦となった。
前日に猛烈な追い上げがあと一歩及ばず敗れた富山が、この試合はティップオフと同時にスパートをかける。城宝匡史の3ポイントシュートで先制すると、水戸健史が速攻からバスケット・カウントをもぎ取り、長期離脱からの復帰2戦目のドリュー・ヴァイニーがオフェンスリバウンドを取って得点。大阪のタイムアウトを挟んで城宝が得点し、開始3分足らずで10-0と最高のスタートを切った。
ところが、その後が良くない。攻め急いでチャンスをつぶし、大阪に立ち直る余裕を与えてしまう。大阪はジョシュ・ハレルソンとエグゼビア・ギブソンのインサイドを軸としながらも、内に注意を引き付けては外をうまく使って追い上げる。
序盤の劣勢を覆す推進力となったのは相馬卓弥だ。0-10から反撃の狼煙となる3ポイントシュートを決めると、前半だけで4本の3ポイントシュートを記録。悪い流れを断ち切った。
その後も両チームはハイペースに得点を重ねつつも、大阪がじわじわとビハインドを沈め、第2クォーター終盤に相馬のアシストを受けたハレルソンの3ポイントシュートで逆転。43-41とリードして前半を折り返す。
ただ、富山も引かない。後半になるとオン・ザ・コート「1」の時間帯を嶋田基志が身体を張って支え、ウィラードがダンクでチームに勢いをもたらす。大阪は主力をベンチに下げている間に水戸に立て続けの得点を許し、62-63とビハインドを背負って最終クォーターへ。
壮絶な打ち合いで勝敗を分けたのはリバウンドの差
最終クォーターのスコアは36-30と、壮絶な打ち合いに。ここを制した大阪が勝利をもぎ取るのだが、超ハイスコアの展開は理屈では説明のできないものだった。
両チームとも攻め気が前面に出すぎて、ディフェンスが疎かになっていたが、こと攻撃に関してはしっかりと集中していた。第4クォーター、大阪は7本中5本の、富山は8本中5本の3ポイントシュートを決め、2点シュートも大阪が12本中7本で富山が8本中5本と高確率をキープ。
この打ち合いのどこに差が出たかと言えば、攻撃回数の多さ、つまりはオフェンスリバウンドの数だ。第4クォーター、攻め急ぐ中でも大阪はオフェンスリバウンド7、ディフェンスリバウンド5を押さえた。一方の富山はリバウンドわずか2つ。
桶谷大ヘッドコーチは「富山に点を取られても崩れずに、自分たちのバスケットをやってくれたのが勝因」と語る。「どの選手が出ても、それぞれがチームにリズムをもたらしてくれた」とチーム一丸となっての勝利を強調した。
マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたハレルソンも「緊迫した場面でみんなが結束して大事なシュートを決めた。全員の貢献が素晴らしい」と語る。
最終クォーターのリバウンドの差はあったが、それ以外に目立つのは得点の偏り。富山はスターターの5人で93得点のうち79点をたたき出した。つまりベンチメンバーは14点しか挙げていない。一方の大阪はベンチメンバーが32点を挙げており、プレータイムもシェアできていた。
大阪としては勝利した上にチームの結束力も確認できた素晴らしい内容。一方の富山にとっては、ヘッドコーチのボブ・ナッシュが「選手全員が40分間、必死に、集中力高く戦えていた」と収穫を語ったものの、最高とも言えるパフォーマンスを見せながら競り負ける、痛い一敗となった。
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