「その日その日でコーチも違うことを求めてくるので、しっかり対応できたら」
アルバルク東京は11月19日、20日の横浜ビー・コルセアーズ戦を1勝1敗で終えた。
安藤周人は、第1戦で3ポイントシュート2本成功を含む14得点、第2戦は3ポイントシュート3本成功を含む11得点を記録し、2試合ともにチームの日本人選手の中で最多得点をマークした。特に82-70で勝利した第1戦は4点リードで迎えた第4クォーター残り約7分からの2分間で4連続得点を決めてチームを牽引する頼もしさを見せた。安藤の武器は3ポイントシュートだが、この4連続得点はスローインからのセットプレーや速攻、ドライブからのフローターで、安藤のシュートバリエーションの多さと、状況判断の正確さが際立つシーンとなった。
もともと3ポイントシュートだけでなく、ハードなディフェンスを含め何でもできる選手だが、今シーズンはチームプレーの遂行力が増している印象を受ける。安藤は「昨シーズンは求められていることが曖昧な状況で、自分自身も何をしたらいいのか分からないままシーズンが終わってしまいました」と言うと、ここ4試合は2桁得点をマークするなど安定したプレーができている要因に、指揮官デイニアス・アドマイティスの存在を挙げた。
「アドヘッドコーチは自分を『シューターだ』と認識させてくれて、『打てる時はどんどん打ってくれ』と言ってくれます。穴になるところをしっかり追求してくるので、それに今は自分が応えられているので上手くいっていると思います。今日の連続得点した場面は相手のディフェンスの穴を突いたことで点数になりました。その日その日でコーチも違うことを求めてくるので、しっかり対応できたらと思います」
もちろん、安藤は前ヘッドコーチのルカ・パヴィチェヴィッチを否定しているわけではなく、「仮に今シーズンもルカだったとしても昨シーズンの経験があるので、『こういう時はこれをする』と明確になったと思います」と話している。
ただ、人間であれば、誰しも相性の良し悪しがあり、安藤自身も「アドヘッドコーチは選手がやったことに対して『これはダメ、あれはダメ』ではなくて、そこからいろいろなオプションを教えてくれるので、自分的にも合っているなと思います」と言う。「迷わずプレーができる場を設けてくれますし、今日みたいに自分を連続で使ってくれたり、当たっている選手がいたらどんどんその人のコールを使ってくれます。なので、自分も気持ち良くプレーができていて、そこはコーチとの信頼関係もできているのかなと思います」
「シーズン中盤、後半に向けて徐々に調子を上げていけたら」
A東京は11試合を終えて、7勝4敗で東地区3位に付けているが、ここまで行われた5節の同一カードゲームのうち4節で第2戦を落とすなど、なかなかリズムをつかみ切れていない。チームだけでなく、安藤自身も「調子はまだ良くはないと思います」と現状を語るが、自身が調子を上げることでチームを引っ張っていきたいと語る。
「決めないといけないところは今日の試合(横浜BCとの第1戦)でもたくさんありましたし、ノーマークの3ポイントシュートは大事になってきます。チームとしても3ポイントシュートのパーセンテージがかなり低いので、そこは自分が少しずつ上げていかないとチームのためにも自分のためにもなりません。これからシーズン中盤、後半に入っていきますが、そこに向けて自分の調子も徐々に上げていけたらと思います」
新体制となったA東京だけにチームビルディングの時間はまだかかるかもしれないが、その中で安定したプレーを見せている安藤の存在は頼もしい限りだ。A東京在籍2シーズン目となる安藤が、昨シーズン以上にチームを牽引していく姿に期待したい。
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