ステフィン・カリー

カリー自身は『50-40-90』をクリアする絶好調ぶり

開幕前に選手が練習中に衝突するトラブルが明るみに出たウォリアーズは、その影響を感じさせないスタートを切ったかと思えばアウェー5連戦で全敗と、王者らしさを発揮できていない。それでもホームに戻ってキングスを相手に快勝を収め、ここから立て直しを図ろうとしている。

その中心となるのはステフィン・カリーだ。チームの調子が今一つでもエースは開幕から絶好調で、ルカ・ドンチッチに次ぐリーグ2位の32.6得点、さらには6.9アシストを記録している。フィールドゴールは51.2%、3ポイントシュートは43.1%、フリースローは93.4%を決め、またシーズン序盤とはいえ『50-40-90』を達成している。

キングス戦の後半はほとんどの時間帯でビハインドを背負っていたが、第4クォーターに37-25と巻き返しての逆転勝ち。最終クォーターのカリーは3ポイントシュート2本成功を含むフィールドゴール8本中6本、フリースローは3本すべてを決めて17得点を荒稼ぎ。「何が何でも勝つという気持ちだった。ありがたいことにシュートが決まってくれたよ」とカリーは語っている。この試合のカリーは47得点を記録した。

好不調の波が大きいチームについて、「優勝した二日酔いだと言うひともいるだろうね」とカリーは笑い、こう続ける。「でも、昨シーズンに優勝した自分たちのスタイルに加えてオフに練習も積んだわけで、チームの実力には自信がある。試合をこなすうちに、いろんな面でプレーは良くなっていくと思っている。もともとそう予想していたよ」

そして『50-40-90』への意欲をこう語る。「特に僕のようにシュートを多く打つ選手、相手にも警戒される選手にとってはフィールドゴール成功率50%は一番難しい。何度かチャンスはあったけど、シーズンを通して達成したのは一度だけ。このまま効率の良いプレーを続けて達成できたら、それはすごいことだと思う」

カリーが過去に『50-40-90』を達成したのは2015-16シーズン。現体制が2度目の優勝を飾る年で、カリーはまだ28歳だった。その7シーズン後にこの数字をまた達成し、キャリア2度目の全盛期を証明することが、彼にとっては良いモチベーションになっている。

しかし、彼はただ楽観的なだけでなく、チームがこの先にどう歩んでいくべきかを理解している。「昨シーズンのチームとは違うことを日々思い知らされるよ。でも、このチームも自分たちの目指すレベルに達するという希望を失ってはいけない。まだ完璧じゃないし、結果がそれを示しているけど、自分たちの目指すレベルに責任を持つんだ。その中で僕らベテランはチームを引っ張り、若い選手たちに試合でも練習でも何をすべきかを示し、サポートしていくつもりだ」

ここまで4勝7敗という成績は、当然ながら満足できるものではない。それでもカリーは落ち着いて前進することが大事だと説く。「いろんなことがあったけど、まだ11試合を消化しただけだよ。自分たちがどこを目指しているのかを見失っちゃいけない」