「エンジン全開」でジャズを圧倒、シーズン初勝利を挙げる
ロケッツは開幕4試合目にして初勝利を挙げた。ケビン・ポーターJr.が26得点、ジェイレン・グリーンが25得点を挙げて、ジャズの連勝を3で止めている。
ジャズはバック・トゥ・バック(2日連続の試合)の2試合目で、ポーターJr.は「だから最初から走らせるつもりだった。僕らはエンジン全開で勢い良く向かっていった」と語る。その勢いが現れたのはフリースローの数で、ジャズは速攻でのイージーシュートこそ抑えたが、指揮官ウィル・ハーディは「彼らはよく走り、スペーシングも良かったのでファウルなしに守ることができなかった」と振り返る。
勢いのあるアタックを続けたロケッツは32本ものフリースローを獲得。フリースロー成功数はジャズの9に対しロケッツは27で、この差が勝敗を左右した。ポーターJr.は両チーム最多となる9本のフリースローを得て、そのすべてを成功させている。
そのポーターJr.は第1クォーターで10得点を挙げ、第2クォーター以降はグリーンがオフェンスを引っ張った。グリーンは「相手ディフェンスの意識がポーターに集中していたから、僕のスペースが空いて攻めやすくなった。僕の警戒が厳しくなれば今度は他の誰か。そうやって良い流れができていったんだ」と語る。
ロケッツは昨シーズンにジェームズ・ハーデンをトレードし、今オフにはクリスチャン・ウッドも放出。年俸が1000万ドルを超えるのはエリック・ゴードンだけで、ポーターJr.は22歳、ケニオン・マーティンJr.は21歳でグリーンとアルペラン・シェングンは20歳、ルーキーのジャバリ・スミスJr.は19歳と、主力が極端に若いチーム構成となっている。
今年のNBAドラフトで1巡目3位指名を受けたスミスJr.はリベンジに燃えている。全体1位指名もあると予想されていた彼にとって、3位指名は屈辱だった。開幕からスタメンで起用され、15.3得点、7.0リバウンド、1.3アシストはルーキーにとっては十分な数字だが、マジックから全体1位指名を受けたパオロ・バンケロは22.8得点、7.5リバウンド、3.0アシストとその上を行く。スミスJr.はディフェンスで存在感を見せ、オフェンスでは自らの得点よりもスペースを作り出してポーターJr.やグリーンに良いシュートを打たせる働きが目立つ選手であり、スタッツでその真価は測れないが、それがモチベーションになるのなら悪いことではない。
スミスJr.はポーターJr.に次ぐ6本のフリースローを獲得して、これをすべて決めている。3ポイントシュートも5本中3本と高確率で決め、21得点9リバウンドを記録した。ポーターJr.はチームの潤滑油となるスミスJr.を「彼の貢献を最大級に信頼しているよ」と称えている。
スミスJr.は「NBAで初めての勝利だからうれしいよ。コーチも僕を信頼してくれていたし、別にプレッシャーがあったわけじゃないけどね」とホッとした表情を見せ、こう続けた。「自分が今までやってきたワークアウトを信じているし、チームメートの実力も信じている。僕としては自信を失うことなく、自分の役割を全力でこなすことだけを考えるよ」
極端に若いチームなので、このまま右肩上がりとはいかないかもしれないが、『ハーデン時代』からの方針転換はスムーズに進んでいるように見える。プレーオフ進出が期待できるチームではないにせよ、ファンにとってはポーターJr.やグリーン、スミスJr.の成長ぶりを楽しめるシーズンになりそうだ。