土壇場で琉球が勝負強さを発揮、A東京を突き放す
11月3日、琉球ゴールデンキングスが敵地でアルバルク東京と対戦。終盤までもつれる熱戦となったが、残り約2分から岸本隆一が3ポイントシュート2本を含む8得点と爆発した琉球が 75-69で粘るA東京を振り切り、同一カード連勝を達成した。
第1クォーター、67-53で快勝した前日の勢いそのままに、琉球はジョシュ・スコットの連続得点により開始約5分で13-5と先行する。それでもA東京もアレックス・カークの活躍で盛り返し、第2クォーターに入り持ち前のボールシェアするオフェンスが機能し、8人が得点して34-31と逆転して前半を折り返した。
第3クォーターに入ると琉球が田代直希の3ポイントシュート2本成功によって早々に逆転。その後も並里成、アイラ・ブラウンらが得点を重ねることで、55-47と一気に主導権を握っていく。ただし、ホームで連敗するわけにはいかないA東京は第4クォーターに意地を見せる。
残り約6分にはジェフ・エアーズの3ポイントシュートによって10点のリードを許すが、ここからカークのゴール下、ザック・バランスキーと竹内譲次の3ポイントシュートと内と外の両方から加点し、残り約2分半に65-65とついに追いつく。だが、琉球は直後に岸本が3ポイントシュートを2本沈め、残り39秒で4点リード。ファウルゲームに対し、着実にフリースローを決めて熱戦を制した。
「3ポイントシュートが最後に来てくれた」
琉球の佐々宜央ヘッドコーチは「試合の最初、(田中)大貴とカークの2メンゲームからダンクを決められると、一番やられたくない形で始まってしまいましたが、よく我慢した試合でした。前半、3ポイントシュートが入っていなかったですが、最後に来てくれました」と試合を総括する。
また、勝負どころでの岸本の連続3ポイントシュートについては「最後に岸本で行くというのは、ベンチも選手も意思統一ができていました。これがはっきりとしていたのが勝因だったと思います」と振り返っている。
ここ一番で爆発した岸本だが、試合全体を通しては並里が12得点8アシスト4リバウンドとチームを牽引。この並里が失速した終盤に岸本が交代で入り結果を残したことに、指揮官は「ダメな時に起点を変えられる良さが、今年のチームにはあります。調子が悪い時は誰でもあります。そこに代わりがいて、ベンチに下がった選手も他の選手に託すことができる。誰が出てもいい状況になっています」と層の厚さに自信を見せている。
一方、昨シーズンは一度もなかったホームでの同一カードの連敗を喫してしまったA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは、「ほとんどの時間帯、集中力を切らさずに食らい付いていきました。ただし、終盤の勝負どころで岸本選手に2本の3ポイントシュートをオープンで打たせてしまったのが勝敗を分けてしまった」と、最後に生じた守備の綻びが敗因と語る。
A東京はこの試合、馬場雄大が体調不良で欠場。さらにアイラとの接触で頭部を強打し、途中退場した小島元基が次戦に出場できるかは現時点では不透明だ。連敗ストップによる立て直しにはチーム全体でのステップアップが必要となってくる。