それでも自己採点は攻守ともに厳しい
昨日、琉球ゴールデンキングスはアルバルク東京との強豪対決の初戦を67-53で快勝した。琉球の勝因は試合を通してディフェンスの激しさが落ちなったことであり、その堅守の構築に大きく貢献したのが田代直希だ。
ここまで好調を維持していた須田侑太郎が前節に故障離脱。その代役として先発に起用されたのが田代であり、得点は4に終わったが、4リバウンド、さらにゲームハイの7アシストと攻守に奮闘。この試合の前まで多くても15分前後だったプレータイムが約25分と伸び、先発起用に応えるシーズンベストの内容を見せた。
「第1クォーター、第3クォーターの出だしとともにディフェンスが良かった。それでオフェンスにも良い流れが生まれ、特に第1クォーターでは大量得点につながったと思います」
このように勝因を語る田代だが、自身のパフォーマンスについて聞くと、まず7アシストを記録した攻撃面の自己採点は厳しい。「相手の守備はスイッチで対応してくれるので、相手のビッグマンにマークする選手が代わった時はスピードのミスマッチが生まれます。そこでアタックを狙いました。ただ、もっとピック&ロールを有効に使わないといけない。相手を引きつけられていないのにパスをしたり、レイアップをブロックされたりと僕自身はあまり効率的なオフェンスはできなかったと思います。周りが僕の動きに合わせてくれたので、アシストが増えました」
田中大貴、馬場雄大、菊地祥平といった実力者とマッチアップした守備では、「須田さんの欠場でチームとしての守備力を落としたくなかったので、いつも以上にディフェンスは意識しました。僕自身の守備のところで、プレッシャーのかけ方、噛みつき具合が弱いと言われていたので、その部分は意識していました。守備について僕自身の持っている力は出せました。でも一度は自分のミスでやられてしまい、そこから相手に行かれてしまうなど、気が緩んだしまった部分はまだまだあります」と、こちらも満足することはない。
「ここでアピールできないとチャンスはない」
このように田代が自分に厳しいのは、あくまで2連勝が目標のチームと同じく、彼自身も2試合続けて活躍できてこその強い思いがあるからだ。「2試合取るのがチームとして目標。(初戦で勝ち、2日目に敗れた)先週の川崎戦もそうですが、相手は1試合目と変わってくる。明日、相手が修正してきたところで、僕がアジャストできれば貢献できたのかなと思います。1日だけなら相手の調子が悪かったという捉え方もできます」
ちなみに、これは佐々宜央ヘッドコーチのこの試合における田代の評価とも一致する。「今日勝った上で明日もしダメだったら、今日は褒められるような状況ではないです。明日の彼のパフォーマンスというのが大事。1日なら誰でもいい日はある。今日は良くやってくれましたが、続けてできるのが良いプレーヤー。明日はそれを期待しています」と指揮官は叱咤激励した。
今回は上々の内容だったが、須田の欠場で巡ってきた先発は田代にとって、これからの出場機会確保に向けた千載一遇のチャンス。「ここで表現してアピールできないと、これからのチャンスはないかと思います。うまいことやろうとは考えていないですが、相手に噛み付いてプレーしよう。その部分をヘッドコーチが評価してくれたらいいです」
前日のリベンジを期す王者のA東京とこれ以上ない難敵相手に、どこまで田代が存在感を示せるのか。これは琉球が連勝を果たせるのかにも少なくない影響を及ぼすポイントとなってくる。
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