宮澤夕貴

「止まって動いての繰り返しだと身体のリズムはつかみづらいです」

女子ワールドカップ2022に参戦中の日本代表は2試合を終えて1勝1敗となり、決勝トーナメント進出へ負けられない戦いが続いていく。

セルビア戦は3ポイントシュート成功率が23%に留まったことが大きく響き惜敗した。敗れたとはいえ、生命線である3ポイントシュートに当たりが来ない中で5点差で試合を終えたことは一定の評価ができる。ただ、金メダルを目指している以上、グループリーグ突破は最低限の目標であり、このまま足踏みを続けている時間はない。

ベテランの宮澤夕貴は2試合で放った9本すべての3ポイントシュートをミスし、「自分でも4の0、5の0とか、こんなに外したことが今までにないので、なんでかなと思いながら打っています」と困惑している。

日本は世界に対して高さで劣るが、183cmの宮澤はその高さの不利を最小限に留める上で重要な役割をしている。ミスマッチとなった場合でも、フィジカル負けせずに一人で対応できるスキルを持ち、主戦場ではないインサイドで常に身体を張ってリバウンド争いでも貢献している。こうしたペイント内でのバトルが身体に与える影響はもちろん大きいはずだが、「そのダメージがあるから入らないというわけではない」と言い、メンタル面での不安もないと続けた。

「全部がショートではなく、すごい左右にブレているとも感じません。アーチがなくてリングにはじかれることが多いのでそこかなと思っています。自信がないわけじゃないのが唯一の救いですね。変な自信があるときは大丈夫だと思っているので」

日本はこれまでの方針と同じように直近の2試合でもタイムシェアをして戦った。常にフレッシュな状態で戦えるメリットがある一方で、調子が良い選手を長時間使えないというデメリットも抱えている。自チームでは30分以上プレーすることも少なくない宮澤にとって、この小刻みな交代は決して得意なスタイルではない。実際に宮澤も「調整はしづらいです」と言う。

「止まって動いての繰り返しだと身体のリズムはつかみづらいです。段々慣れてきていますが、一回が3、4分のプレータイムでやっと上がってきたと思ったらベンチに下がるので、最初のころは本当にリズムがつかめなかったです。やはり、温まってきてから打つのとは違いますがそれを言い訳にはしたくないです」

今日のシューティングでは鈴木良和アシスタントコーチとフォームの確認を行った。「ストップが悪いと上半身がブレやすいので、そのストップの仕方や打つときのバランスについて話しました」

明日のカナダ戦を前に、恩塚享ヘッドコーチはプレータイムの配分をこれまでから変える可能性を示唆した。この戦い方の変更が「自分ができることをチームのためにやりますが、早く3ポイントシュートを決めたい気持ちもあります」という、宮澤の調子を上げる起爆剤となることに期待したい。