マリ戦、注目ポイントの一つは球際の勝負に勝つこと
女子ワールドカップ2022の開幕戦を明日に控え、日本代表は会場となるシドニー・スーパーアリーナで前日練習を行った。練習終了後、取材に応じた恩塚享ヘッドコーチは「開幕を前に、胸が熱くなります。思っていたよりもそういう高まりを感じています。この高まりを、選手たちがいかに良いところを出せるかに繋げたいと考えています」と、今の心境を明かす。
そして、ここまで長く過酷な合宿を乗り切った選手たちの姿を見る時、その思いがより強くなったと語る。「選手が準備をしている姿、バスに乗ってパッと見た時など、5月からタフな合宿をしてここに至るまでを回想し、みんなの力を集めて勝ちたいと気持ちが高まっていきます」
オーストラリアに到着後、日本代表は優勝候補筆頭であるアメリカ代表とのスクリメージ練習、さらにベルギー代表、フランス代表とテストマッチを実施し、フランスに77-73、ベルギーに69−59と連勝している。もちろん大会直前で、ともに全力を出し切って戦った訳ではなく、手の内を隠した部分もあるだろうが、難敵を相手に続けて競り勝ったのは良い流れだ。指揮官はこう振り返っている。
「ベルギー戦は私の手応えで言うと、自分たちが理想としているバスケットのベースの力が上がっています。判断のスピード、ディフェンスの強度、バトンを繋いで戦うというチームのやろうとしているコンセプトを表現できる時間が長くなってきました。ただ、久しぶりの試合というところで試合勘の面でばたついていたり、コントロールを失う時間がありました。それを次の練習やフランス戦で修正して、手応えを持ちつつ今日に至ります」
そして、明日のマリ戦に向けては「ペイントエリアの攻防が鍵になります」と言う。「ポイントは何かというと、トランジション、ポストとリバウンドです。相手が持っている力、スピードを100%出した状態の勝負は分が悪いと思うので、そういう戦いにならないように、一言でいうと先手を打つ。ファストブレイクを出されないようにオフェンスの終わり方を良くする。ポストにボールを入れてくることに関してはボールの流れを止めていく。リバウンドは入ってくる前に先に当たる。このあたりを強調して戦いたいです」
さらに指揮官は、明日の試合で勝って勢いに乗るために必要なものとして、ルーズボールについて言及した。「流れが良くなる時は、球際の勝負に勝っていることを実感させたい。流れを変えるためにも球際を強くすることをトーンセットして次に進んでいきたいです」
金メダルへの第一歩として明日、女子日本代表がどんな戦いを見せてくれるのか、大会の開幕が待ちきれない。