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歯車が噛み合わなかったニックスに転機

シーズン開幕から守備が機能しないニックスは、7200万ドル(約79億9900万円)の大型契約を結んだセンターのジョアキム・ノアをベンチに座らせて、2年目のクリスタプス・ポルジンギスを5番に起用した方がパフォーマンスが向上するなど、やることなすこと歯車が噛み合わなかった。

だが、11月20日には東上位のホークスとホームで対戦し、失点を94に抑えて勝利。ここ4試合で3勝1敗と結果が付いてくるようになりつつある。

次戦から西の強豪トレイルブレイザーズ、東の曲者ホーネッツとの2連戦が予定されており、まだ良い波に乗っていると言うには時期尚早だが、この違いを生み出した理由が、球団社長のフィル・ジャクソンを交えたチーム全体ミーティングにあったと、『ESPN』のイアン・ビーグリーが伝えた。

ジャクソンは、ブルズとレイカーズの指揮官時代に両チームで3連覇を達成した言わずと知れた名将で、2度のスリーピートに欠かせなかった戦術『トライアングル・オフェンス』こそ、ニックスを低迷期から脱出させる方法として強く信じてきた。しかし、当時と現代では選手の質が異なり、対戦チームの戦術も複雑化する中で、必ずしも『トライアングル・オフェンス』が効果的とは限らない。そのため、フロントと現場が考えるプレースタイルが合致しないことも問題の一つとして報じられてきた。

ビーグリーによれば、11月17日のウィザーズ戦に112-119で敗れた後、ジャクソンを交えた約1時間のミーティングが行われた。その内容をカーメロ・アンソニーは「建設的だった」と説明する。またアンソニーによれば、ジャクソンがミーティング中に意見を言うことはなく、聞き役に徹していたとのこと。

これは、ジャクソンがようやくバスケットボールに関して現場に一任したことの兆しかもしれない。戦力だけを見れば東のトップ4も狙えるだけに、このミーティングを契機にチームが正常に機能することが期待される。

ニックスの固いディフェンスに顔をしかめるハワード。