脱ルカ体制で一皮剥けた新しいA東京スタイルが完成
昨オフ、セバスチャン・サイズ、ライアン・ロシターといったリーグを代表するインサイド選手を補強し、一躍チャンピオン候補に躍り出たアルバルク東京だったが、ケガも重なり思い描いていた結果とはならなかった。このオフ一番のトピックは、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチの契約解除。就任1年目にチームをチャンピオンに輝き、以降5シーズンに渡ったルカ体制との決別をクラブは選択した。新ヘッドコーチには、バスケ強豪国リトアニアで代表コーチも歴任したデイニアス・アドマイティス。ヘッドコーチのみならず水野宏太トップアシスタントコーチが退団するなど、チームスタッフにも変更が見られる。若手を中心に大部分の選手は継続となったが、2連覇を知る菊地祥平と小島元基が退団となり、チーム改革が見て取れる。思い起こせば、ヘッドコーチが代わり、本拠地がアリーナ立川立飛になった変革の2017-18シーズンに初めてチャンピオンとなった。今シーズンはホームアリーナが国立代々木競技場第一体育館に移り、区切りを迎えるA東京の躍進に期待せずにはいられない。
プレシーズンゲームを見る限り、コート上のメンバーによって大きく戦術を変えるなどアドマイティスの引き出しの多さは確かなものだ。A東京がシーズンを通じて勝ち続けるための最適解を見つけるまで、そう時間はかからないだろう。長く親しんだルカバスケからの転換で困惑することもあるかもしれないが、しっかり遂行できる優秀な選手がロスターに名を連ねているため、新生アルバルクに期待したい。
注目選手
田中大貴
昨シーズンはポイントガード起用の時間帯もあったが、今シーズンは本来のシューティングガード起用を考えているとアドマイティスヘッドコーチが明言している。昨シーズンから引き続きキャプテンを務め、コート内外で期待が高いが、やはり田中にはエースとしての活躍を望みたい。田中にとって勝負の10年目が始まる。
吉井裕鷹
昨シーズン、インサイド選手のケガにより出場時間が急増し、期待に応えブレイクした吉井。ルカヘッドコーチ最後の置き土産と言える成長株は、オフの間、代表活動でも世界のレベルを肌で感じて経験値をさらに高めた。今シーズンは、本来のスモールフォワードでどれだけの活躍を見せられるかに注目だ。
ジャスティン・コブス
帰化によるモンテネグロ代表経験もある経験豊富なポイントガード。得点能力はもちろんのこと、パスの上手さ、ディフェンス能力などオールラウンドにレベルの高さが分かる。キックアウトやスキップパスで、3人目4人目の選手を生かすのが上手く、今シーズンのA東京のバスケには適任なポイントガード。攻守の要として、非常に重要な役割を担う。
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