辻を封じた守備、要所で決めた3ポイントシュート
琉球ゴールデンキングスは、26日に行われた川崎ブレイブサンダースとの初戦に68-60で勝利。要所での活躍が光ったのが須田侑太郎だ。一番の持ち味であるフィジカルの強さを生かしたディフェンスで、乗せたら怖い川崎の起爆剤である辻直人をフィールドゴール9本中1本成功の6得点に封じた。
さらには大量リードを徐々に詰められ4点差にまで縮められた第3クォーターの終盤に、今度はオフェンスで貢献する。残り約1分半に3ポイントシュートを沈めると、残り約30秒にはアイラ・ブラウンのダンクをアシスト。この連続得点で琉球は、再びリードを2桁に戻し、川崎に傾いていた流れを完全に断ち切るインパクト大のプレーだった。
「しっかり準備をして、チームがやるべきことをできました。約束事に加えて、最後はリバウンドとルーズボールになるという話をして試合に臨み、そこをしっかりできたことで勝ちきれたと思います」
このように勝因を語る須田は、冒頭で触れた辻封じについても大きなモチベーションを持って挑んでいたと振り返る。「個人的には代表選手とマッチアップする中で、自分のディフェンスにプライドを持っていて、負けたくない気持ちを前面に出しました。泥臭いところをだして、辻さんに簡単にやらせなかった。リバウンドでつないだとは思っています。チームメートの協力を受け、役割をやりきれたのは良かったです」
「自分もアタックすればもう1つズレが作れます」
安定の守備力に加え、今シーズンの須田はオフェンス面で新たな顔を見せている。昨シーズンの彼は、「去年はシュートがメインでした」と語るように、周囲が作ってくれたチャンスに外角シュートを打つことを主な役割としていた。しかし、そこに自ら仕掛ける要素が加わっている。
昨シーズンの課題を受け、琉球はゴール下へのアタックを増やし攻撃に深みを与えることをオフシーズンから取り組んでいた。このペイントタッチの代表格が新加入の並里成であるが、佐々宜央ヘッドコーチは積極的が増している選手として須田を挙げている。
この点を本人に尋ねると、「オフに自分の強みを考えた時にフィジカルがあり、アタックするところはもともと自分の良さでもありました。そして、成さんがアタックしてくれることでディフェンスが収縮してそこからパスをもらえる。自分がパスを受けた時点でズレができているので、それを逃さずに自分もアタックすればもう1つズレが作れます」と、インサイドへのドライブは意識して取り組んでいると言う。そして、「オフから守備がちょっとズレたところをアタックできるようなスキルの強化に取り組んできた成果を出せていると思います」と手応えを感じている。
オフェンスの幅が広がったことで、より総合力の高い選手へと進化を果たしつつある須田。辻封じの役割も含め、琉球が連勝を伸ばすためには、今日も彼の貢献が必要となるはずだ。
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