マーク・キューバン

タンパリング問題の罰則がドラフト2巡目指名権では抑止力にならないと主張

ダラス・マーベリックスのマーク・キューバンオーナーはこれからトレーニングキャンプ開幕前までに選手補強を行う可能性について否定的だ。先日、マブスはキャバリアーズのコリン・セクストンのサイン&トレードでの獲得について交渉中と報じられていたが、キューバンは地元ラジオ局『KTCK−AM』の番組『The Norm&D Invasion』に出演し、次のように語っている。

「これからの補強は本当に私たちが驚く選手が解雇されたりしない限りはおそらくない。というのも、シーズンを通して柔軟性を持たせたいからだ。ファンがどのように感じているか、夏の補強戦線で勝たなければいけないことは分かっている。ただ、トレード期限の締め切り前、チームが選手をバイアウトする時期にロースターの枠に空きがあることは有益だ。アプローチの仕方はいろいろとあり、契約保証のない選手を置くこともできる。いろいろな選択肢を駆使して、何が起こるのか見守っていく」

今オフ、マブスはロケッツから即戦力ビッグマンのクリスチャン・ウッドをトレードで獲得。しかし、大黒柱ルカ・ドンチッチに次ぐ得点源となっていたフリーエージェントのジェイレン・ブランソンはニックスと契約し、引き止めに失敗した。ブランソンの移籍についてキューバンは「プレーオフの間、すべての兆候はポシティブなものだった。契約の交渉を始めることもできなかったが、ブランソンはずっと私やチームメートに残留したいと言い続けていたけど、明らかに何かが変わったんだ」と振り返る。

ただ、ブランソンの移籍にわだかまりはなく、ニックスを迎え撃つホームゲームを心待ちにしていると続ける。「楽しいだろうね。ジェイレンは素晴らしい人間。彼やファンにとって感情的になるだろう。ただ、他のチームに移籍するのは彼が初めてでもないし、最後でもない。ボバン(マリヤノビッチ)がロケッツの選手として戻ってきた時は、もっと感情的になるだろう」

一方でニックスとブランソンが、FA市場の解禁前に交渉する違反行為(タンパリング)でリーグの調査を受けている点について、リーグの罰則に疑問を呈している。「NBAが何を考えていて、この問題にどのように対処しているのか、私はあまり関与できない。ただ、昨夏にタンパリングで3つのチームがドラフト2巡目指名権を失った。問題はジェイレンに何が起こったのではなく、どれだけの強い対応をすればチームをタンパリングから遠ざけることができるかだ。もし、本当に欲しい選手がいて、違反の罰則が2巡目指名権だったとしたら、なんでタンパリングをしないのか?ということになっている。それこそがJB(ブランソン)とニックスの間で何があったかよりも大きな問題だと思う」

キューバンが指摘する通り、ドラフト2巡目指名権は各チームにとって失っても痛手となるものではなく抑止力になっているかは疑問だ。タンパリングを防ぐためには、より厳しい罰則を課すべきではないだろうか。