宮澤夕貴

多大な役割をこなすオールラウンダー

バスケットボール女子日本代表は9月末に開催されるワールドカップに向け強化を進めている。8月11日、12日のラトビアとの国際強化試合は本番前の予行練習として大事な機会となる。

長く代表の主力を務めてきた宮澤夕貴は「システム的に動く、恩塚(亨ヘッドコーチ)さんのバスケットにだいぶ慣れてきた」と、新しいシステムへのアジャストに手応えをつかんでいるようだ。

オーストラリア遠征では武器であるはずの長距離砲が決まらずに苦戦を強いられ、6月に行われたトルコとの強化試合でも、3ポイントシュート成功率は2試合合計で25.6%と低調に終わった。ワールドカップで勝ち上がっていくためには40%前後の確率が求められるが、宮澤はシーズンが始まってすぐだったこともあり、現在は順調に確率が上がってきていると心配していない。「速い展開の中で相手のシュートチェックがきても打ち切ることを練習の中で取り入れていて、パーセンテージも上がっています。個人練習も多くして、ムービングも増やして、確率良く決められるようにチーム全体で取り組んでいて、数字にも表れています」

3ポイントシュートを高確率で決めるには、キックアウトからのキャッチ&シュートに代表されるように、シュートを打つ前の崩しが大切だ。また、フロントコート陣のカッティングなども重要で相手ディフェスをインサイドに収縮させる動きも求められる。宮澤はチームの中でもトップクラスのシュート精度を誇るが、「仲間が打てるようにクリエイトしていく動きも自分の役割なので、そこを早く判断できるようにしていきたい」と、意気込んだ。

世界と比べサイズで劣る日本は、高速トランジションと高確率な3ポイントシュート、激しいプレッシャーディフェンスを軸とした平面のバスケットで強豪国の地位を確固たるものにした。この3つのポイントを可能にするには正確なシュート力と敏捷性が不可欠で、さらに高さも兼ね備えている選手は重宝され、宮澤はこれらの条件すべてに当てはまる。昨シーズンにENEOSサンフラワーズから富士通レッドウェーブへ移籍したことでプレーの幅が広がり、スタイルの違いを経験したことで万能性がさらに上がった。宮澤は言う。

「富士通に入ってから4番でプレーすることがほとんどです。トム(ホーバス)さんのバスケットだとインサイドでプレーすることがあまりなかったですが、恩塚さんのバスケットになってからは相手がスイッチした時に自分が中で攻めることもあるので、それは生きているなと思います。サイドチェンジをしてチャンスを作り出す(富士通のヘッドコーチ)BT(テーブス)のバスケと恩塚さんのバスケがちょっと似ている部分があって、その判断がすぐにできるようにもなりました」

「あとはリバウンドの意識ですね。ENEOSでは梅澤(カディシャ樹奈)や渡嘉敷(来夢)選手がいて、自分は3番だったのでそんなにリバウンドを意識しなくても良かったです。でも富士通では私も参加しないといけなくなったので、リバウンドへの意識が以前より強くなったと思います」

まさに『何でも屋』状態の宮澤は、日本のスタイルを体現するために必要不可欠であり、替えの効かない唯一無二の存在だ。