キーガン・マレー

高校時代は無名で、NCAA1部からのオファーはわずか1校のみ

キーガン・マレーは、今年のドラフト全体4位でキングスに指名されると、サマーリーグでは平均23.3得点、7.3リバウンド、2.0アシストを挙げてMVP受賞し、さっそく結果を残した。

この活躍もあり、今のマレーは即戦力ルーキーとして新人王の有力候補にも挙げられ、注目の若手選手となった。ただ、高校時代の彼は無名でNCAA1部からオファーが来たのはウエスタンイリノイ大のみ。そこで高校卒業後、DMEスポーツアカデミーという学生アスリートのための教育機関に1年間通って力を磨くと、翌年には双子のクリスとともに強豪アイオワ大からオファーを受け、入学を果たした。

しかし、彼の父ケニヨンもかつてはアイオワ大でプレーしていたため、その息子たちが加入するという話題先行の部分も少なくなかった。実際、1年生の時は、31試合出場で平均プレータイム18.0分で、7.2得点、5.1リバウンドと脇役の一人でしかなかった。しかし、2年生になった昨シーズンは全35試合出場で平均プレータイム31.9分で平均23.5得点、8.7リバウンドと一気にエースへ飛躍し、全米屈指の選手と評価されるようになった。

この大きなステップアップをもたらした要因として、マレーは周囲の低評価を見返してやりたいという反骨精神があったと、キングスの公式YouTubeでのインタビューで語った。「僕はこれまで人生を通して、人々から疑いの目で見られてきた。アイオワに着いた時、最初にレポーターから聞かれたのは『一般入部ですか?』だった。それで余計に燃えたよ。いつ自分のハードワークが実を結ぶのかは分からなかった。ただ、一生懸命に取り組んでいれば、何か良いことが起こるのは分かっていた。それが数年後に起こったということだよ」

NBA選手になった今もマレーのこのスタンスに変化はない。だからこそ、参考にしている選手を聞かれた時「いろいろな選手の異なる部分を取り入れている」と前置きした上で、ドラフト2巡指名(全体39位)からスター選手となったバックスのクリス・ミドルトンを挙げた。「今年はミドルトンのプレーをよく見た。なぜなら彼はNBAに入った時、実力を正当に評価されていなかったからね。そこからNBAチャンピオン、オールスター選手になっている。僕たちは同じサイズだし、彼が見せる多彩な部分を僕もNBAのコートで発揮したい」

ハングリー精神に溢れ、結果を残すことに貪欲なマレーの姿勢は長らくプレーオフから遠ざかっているキングスに好影響を与えるのは間違いない。コート内外において、彼は即戦力ルーキーとしてチームの力になってくれるはずだ。