川島悠翔

ドミニカの身体能力と組織力の高いディフェンスに自分たちのリズムでプレーできず

U17ワールドカップ2022が開幕し、男子日本代表は初戦でドミニカと対戦。相手の高い身体能力とフィジカルを生かしたプレーに自分たちのリズムでプレーできず、69-81で敗れてしまった。

試合の立ち上がりから日本は、激しくプレッシャーをかけるだけでなく空いたスペースを巧みなヘルプで埋める、ドミニカの組織力の高いディフェンスに苦しめられターンオーバーを重ねて得点が伸びない。それでもディフェンスで踏ん張ることで第1クォーター残り約2分までは9-10と互角の戦いを演じる。しかし、終盤にかけて連続で3ポイントシュートを決められ9-20と一気に突き放されてしまう。

第2クォーターに入ってもドミニカのペースは続き、26-38と2桁のリードを許して試合を折り返した。なんとか後半に入って巻き返しを図りたい日本だったが、第3クォーターの立ち上がりで、プレー強度のギアを上げたドミニカに対抗できない。素早く強い球際のプレッシャーにタフショットを打たされると、ゴール下でのシュートも決めきれずそこからリバウンドを取られトランジションに持ち込まれて失点を重ねる。そして第3クォーター残り5分半、連続3ポイントシュートを決められ30-51となったところで勝負アリとなった。

第4クォーターに30-15と圧倒して最終的な点差は縮まったが、これは試合の趨勢が決していたことでドミニカの集中力が落ちていたことが大きな要因。点差以上に差を感じる敗北だったことは否めない。

川島悠翔

指揮官マルチネス「もっとファウルを効果的に使わないといけない」

指揮官のアレハンドロ・マルチネスは「リバウンドが一番の大きな問題でした。リバウンド、ルーズボールと相手にことごとく取られてしまいました」と敗因を語る。最終的なスタッツを見るとリバウンドは日本の方が上回っているが、それは第4クォーターが大きく影響しているため。試合の主導権を奪われた前半だけを見ると、オフェンスリバウンドはドミニカの9本に対して日本は3本と、相手に多くのセカンドチャンスを与えてしまったことでリズムをつかめなかった。

また、試合全体を見ると、ドミニカに15のスティールを奪われての20ターンオーバーと、相手の激しいプレッシャーにアジャストできなかった。そして指揮官は、「たくさん点を取られているにもかかわらず10個しかファウルをしていない。もっとファウルを効果的に使わないといけないです」と、より賢くプレーする必要性も強調した。

日本のエース、川島悠翔はシューティングファウルをうまく誘発してフリースローを重ね(14本中10本成功)て16得点をマーク。しかし、フィールドゴールは11本中3本成功に留まり、1人を抜いてもすぐにカバーが来るなどドミニカの徹底マークにリズムを崩して6ターンオーバーと苦戦した。

消化不良に終わった初戦を川島はこう反省する。「ディフェンスがハードな分、ファウル気味と感じてしまった。そこで自分が少しイライラしてしまった部分がありました。仲間とのコミュニケーションが足りなかったので自分の攻める機会が減ってしまいました」

厳しい結果となったが、世界標準のフィジカル、激しさを感じられたのは大きな経験となる。第2戦の相手は初戦でリトアニアに競り負けて必勝を期す、開催国のスペイン。ドミニカ戦を教訓にステップアップする若き代表の姿に期待したい。