ホーバスがやりたい5アウトの戦術は「日本にあっています」と手応えを語る
トム・ホーバス体制となってからのバスケ男子日本代表は、過去4試合のワールドカップ2023アジア予選において多くの選手にチャンスを与えるため試合毎に登録メンバーを大きく変えている。その中でも帰化枠のルーク・エヴァンスは4試合すべてで主力としてフル稼働した稀有な存在だ。ここまでの4試合で平均13.3得点、9.0リバウンドはともにチームトップの数字だ。
エヴァンスよりもBリーグでも実績を残している帰化選手はいるが、様々な要因から代表活動に加わっていない。ホーバスの代表が始動してからずっと参加しているのはエヴァンスのみであり、チームへの高い忠誠心に感謝しかない。戦術の習熟度を考慮しても現段階において、彼こそが最も信頼できる帰化選手となっている。
今やホーバスの代表では常連となっているエヴァンスは、「少しずつチームがビルドアップしていて毎日良くなっています」と、チームの進化に手応えを感じている。「Window1はトムの下で初めての試合で上手くいかない点がありました。Window2もビルドアップしている途中でしたが、今はより彼のシステムを理解して、快適にチームを作れていると感じています。中でも一番はチームケミストリーが良くなっているところだと思います」
ホーバスが日本代表でやりたいオフェンスは、コート上の5人がアウトサイドに位置した状況から攻める5アウトとなる。Bリーグの各チームではほぼ採用されておらず、選手たちにとって馴染みのない戦術だが、エヴァンスは「トムのやりたい日本のバスケにあっています。他の国と比べてサイズが小さいので、5アウトで速さを生かしてプレーするのはアドバンテージになります」と好意的だ。
また、代表の特徴としてビッグマンにも積極的に3ポイントシュートを打つことが求められているが、そこにもエヴァンスはしっかりとアジャストしている。今シーズン、所属するファイティングイーグルス名古屋では3ポイントシュート試投数が1試合平均1.4本だが、Window1と2の4試合では平均4.2本と積極的に打っている。
ホーバスのスタイルを最も体現できるビッグマンとしてエヴァンスの存在感はどんどん高まってきている。これから続く今夏の国際試合で活躍を続け、帰化枠の座を確固たるものとできるのか注目だ。