第2戦で10得点10リバウンドのダブル・ダブルを記録
女子日本代表は6月18日、19日の2日間、トルコ代表との国際強化試合『三井不動産カップ2022』を戦い、見事な連勝を飾った。
第1戦はスタートダッシュに成功し、そのまま77-49の快勝を収めたが、第2戦の第1クォーターはトルコの圧力に苦戦し、14-9と重たい展開となった。先発の赤穂ひまわりも「昨日よりもトルコがプレッシャーをかけてきて、それにちょっと負けてしまう時間帯もあった」と言う。それでも日本はそこから得意の展開に持ち込み、第1クォーターをリードして終えると、第2クォーターを25-14と圧倒して、結果的に83-57で完勝した。
赤穂は立ち上がりの悪さを課題に挙げたものの、ワールドカップに向けた良い予行練習になったととらえている。「最初はプレッシャーに一瞬たじろいで受けに回ってしまいましたが、そこで立て直して、プレッシャーに向かって行くぐらいの気持ちでみんなで走れたのが良かったと思います。ワールドカップではもちろんプレッシャーをかけてくるチームはあると思うので、良い練習になりました」
赤穂は2試合ともに先発を務め、第2戦ではチームで2番目に長い20分58秒のプレータイムで10得点10リバウンドのダブル・ダブルを記録。特筆すべきは両チーム最多となる4本のオフェンスリバウンドを奪ったことだが、「第1戦はあまり(リバウンド争いに)参加できていなかったので、もっとリバウンドに絡もうという意識を持ってプレーしたのが数字に出た」と、意識の違いがこの結果に繋がったと分析した。
また、この日の赤穂はインサイドでの得点が目立ったが、チームメートの打ち続ける姿勢に背中を押された結果だと言う。「アウトサイドの確率はあまり上がってこなかったですが、みんなが打ち続けてくれたことで、相手のディフェンスも外に張って中が空いている時間帯が多かったです。そこで中に入り、強く攻める意識を持っていました」
万能プレーヤーだからこそ求められる多くの役割
赤穂は184cmの長身ながら、ガード並の敏捷性に加え、屈強なインサイド陣を相手にしても力負けしないフィジカルと高さを併せ持っている、唯一無二のオールラウンダーだ。そのため、それぞれが武器を持っている代表メンバーの中でも替えの効かない存在となっている。第2戦は得点とリバウンドのダブル・ダブルに加え、2アシスト2スティールも記録と、その万能性は数字にも表れた。
ただ、求められる役割が多ければ多いほど、突出したスタッツを叩き出すことは難しく、時にはチームのバランスを考え縁の下の力持ちとしての動きも要求される。それでも、指揮官にとってこうした様々な場面で活躍できるオールラウンダーほど頼りになる存在はいないだろう。実際に「恩塚(亨ヘッドコーチ)さんには得点を取ることもそうですし、チームにとっての核になってほしいとずっと言われています」と、赤穂は明かした。
キャプテンの髙田真希も、ともに東京オリンピックを経験した赤穂などの中堅プレーヤーに対して「それぞれの持ち味を試合の中で自分たちから発揮し始めている」と、高く評価している。
赤穂は「いろいろなところで良かったと言ってもらえるなら良かった」と淡々と語ったが、代表レベルで様々な場面で違いを生みだせるのは赤穂以外にいない。