福岡第一

最終クォーターに抜け出した第一が逃げ切り

インターハイ福岡県予選の決勝戦で福岡大学附属大濠と福岡第一が激突した。

昨年は中部地区予選で第一が勝利したが、福岡県予選では大濠が勝利しインターハイの切符をつかんだ。今年の中部地区予選ではポイントガードにコンバートした湧川颯斗の活躍もあり、大濠が勝利している。

得意の速攻から得点を重ねる第一と、ドライブからインサイドの合わせでスコアする大濠と対照的な出だしとなった。湧川と轟琉維、両エースへのマークが厳しく、得点が伸び悩む重たい展開となったが、高さで勝る大濠がセカンドチャンスでわずかに上回り17-15とリードした。

第2クォーターに入ると、第一はタフなディフェンスが裏目に出て、開始1分半でチームファウルが4つに到達してしまう。だが、ここから連続でターンオーバーを誘うなど、ディフェンスの強度を落とさずにピンチをチャンスに変えた第一が流れをつかんだ。互いにゾーンディフェンスを敷いたが、第一の210cmの留学生ムスタファ・ンバアイがリムプロテクターとして機能し、素早いローテションでノーマークを作らせずに失点を防いだ。こうしてディフェンスからリズムをつかんだ第一はトランジションも炸裂。さらに川端悠稀のゲームメークが冴え、中村千颯が2本連続で3ポイントシュートを沈めるなど、一気に突き放した。

一方の大濠はゾーンを崩せず、思い切りの良いシュートが打てない。3ポイントシュートに当たりが一切来ず、フリースローも落としてしまう。こうして第一の雰囲気に飲み込まれ、26-35とビハインドを背負って前半を終えた。

反撃したい大濠は後半出だしからオールコートゾーンでリズムを作ると、再びインサイドを中心に得点を重ねてジワジワと点差を詰める。第一も大濠のゾーンに苦しめられたが、轟のコースト・トゥ・コーストなど個人技で得点し、逆転を許さなかった。残り1分、ここまでフリースローで繋いでいた川島悠翔が3点プレーとなるバスケット・カウントを成功させて1点差に迫ったが、直後のディフェンスで個人4つ目のファウルを犯しベンチに退いた。こうして、捕まえきれないまま、最終クォーターへ突入した。

拮抗した展開が長く続いたが、この勝負どころで堅守速攻を体現した第一が一歩抜け出す。ターンオーバー奪取から連続で速攻を成功させると、さらにセカンドチャンスから3ポイントシュートを沈める。そして残り4分32秒、大濠の3ポイントシュートが外れ、すぐさま速攻に転じた第一は64-54と2桁のリードを奪った。

大濠はタイムアウトを要求し立て直しを図ったが、第一はディレイドオフェンスからショットクロックギリギリで3ポイントシュートを成功させるなど、時計を進めつつリードを保った。残り33秒で2ポゼッション差まで迫られたが、その後も失点を防ぎ、最終スコア70-64で第一が勝利した。