ジョーダン・ヒース

直接対決に連勝、川崎が主力2人を欠くA東京を抜き東地区2位に浮上

5月1日、川崎ブレイブサンダースがホームでアルバルク東京と対戦。出だしから攻守で圧倒し、第1クォーターで31-2と驚愕のビッグクォーターを作り出すと、そのまま危なげない試合運びで85-53と圧勝した。この結果、川崎はA東京を抜き東地区2位に浮上している。

川崎は試合の立ち上がりからアレックス・カーク、ライアン・ロシターの両ビッグマンを欠くA東京に対し、大きなアドバンテージとなっているゴール下を果敢にアタック。9-0と先制パンチをくらわせ、A東京はタイムアウトを取った。

だが、ここで流れを切っても川崎の勢いは全く止まらなかった。A東京のシュートセレクション自体は悪くなかったが、そこで決めきれなかったことで攻めが強引となる悪循環に陥る。一方、川崎はパブロ・アギラール、ジョーダン・ヒース、ニック・ファジーカスのインサイド陣のみでこのクォーターで23得点を挙げ、ティップオフからまさかの29-0のランと突き放す。これで完全に試合の主導権を握った川崎は、最後まで付け入る隙を与えずに快勝した。

川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、「出だしの集中力と遂行力が全てだったと思います」と快心の勝利を総括。さらに第1クォーターで一気に勝負を決められた要因をこう続ける。「スカウティングのところで昨日の試合の修正点をしっかり共有できていました。また、戦術的な部分、ピック&ロールの守り方などがしっかりとハマった影響もあったと思います」

川崎ブレイブサンダース

ヒース「明確な目標ができたことでより集中力を発揮してプレーできている」

A東京のインサイド陣が手薄だったことを差し引いても、ティップオフ直後からゴール下を支配したことが川崎のビッグランに繋がった。20得点6リバウンド2ブロックを挙げたヒースは「今日は試合開始からエナジーを出してプレーしようと話しをしていました。それができたことで結果として第1クォーターで相手を2点に抑えることができました。これが勝因だったと思います」と振り返る。

ただ、高さを生かしたリバウンドに加えて持ち前の機動力で速攻のフィニッシャーとなり、ショットブロッカーとしても大きな脅威となるなど、ヒースの存在感は一際目立った。これで川崎は4月27日の千葉ジェッツ戦と合わせて3連勝。残り試合を全勝すれば自力で地区2位以上が決まることが確定してから負けなしとなっている。

この好調の背景にヒースは条件がはっきりしたことも影響していると見る。「残り試合を勝ち切ることができればチャンピオンシップをホームで開催できる共通認識ができました。明確な目標ができたことで、より集中力を発揮してプレーできています。この目標を達成することは、チャンピオンシップを勝ち抜いて優勝に繋がる大事なものだと思っています」

いよいよレギュラーシーズン最終週となる5月7日、8日、川崎は敵地に乗り込んでシーホース三河と対戦する。三河はワイルドカード下位でのチャンピオンシップ出場を激しく争っており必勝体制で来るが、川崎も他チームの成績に関係なく地区2位以上を確定させるために連勝が求められる。

このタフな状況でしっかり連勝できれば、さらに勢いに乗ってチャンピオンシップに臨むことができる。そのためにはダバンテ・ガードナーに加え、タレント豊富なウイング陣のドライブと三河の強力なインサイドアタックを防ぐことが必要だ。「ディフェンスにおける最後の砦として自分が立ちはだかることに誇りを持っています」と語るヒースがしっかり守備で存在感を発揮することが大きな鍵となるはずだ。